2025.09.30 【電波新聞75周年特集】有力店に聞く 今後の電器店 平和デンキ舟入本店 広島市中区 船本益広社長
船本 社長
未来志向の夢のある商品に期待
電波新聞は創業者の父の時代から購読している。以前は家電流通の面も東日本面、近畿・中部面、西日本面と地域で分かれていた。当時の広島支局の記者には、40周年の時に特集で取材してもらったり、記事を切り抜きしてくれたりと良くしてもらった。
紙面ではさまざまな情報を提供してもらっている。難しい部分もあるが、各地の地域専門店の販促事例などを掲載してもらうことで、共有して実践することができる。量販店とは違う専門店ならではの事例情報を掲載していってほしい。
家電業界は今、なかなか上向きになっていく感じがしない部分がある。商品ごとの特色の打ち出しも難しい。品質をPRしているメーカーもあるが、そこは基本として、夢のある商品が少ない。
以前のテレビなどはどんどん新技術が製品化されていたが、今は主要部品が海外製で差別化がなく、どこにでもあるもので訴えるところがない。パソコンなどのようにYouTubeの概要も見られるようにしたらと提案したこともある。
欧州などでは家電でもデザイン性が重視され、そういうものがピンとくるお客さまもいる。
実用的な白物は必要不可欠なものだが、新しい技術のIoT機能は浸透が進まず、それよりも機能の方がポイントになっている。ドラム式洗濯乾燥機はタイパに優れていて自分も毎日使っているが、冷蔵庫はカメラなど先進的なものはあまり発展していない。なかなか未来志向の商品は少ないと思う。
10年くらい前までは、会合のついでにCEATECを見に行ったが今は家電色が薄れている。生活の中にもう少し、未来志向の夢のある商品が出てきてほしい。
これから毎日の紙面はデジタルになるが、見出しだけで全部読まない記事もあるのでは。週1回でも紙面があるのはいいかもしれない。