2025.10.07 JFEテクノリサーチ、先端金属部品の開発効率化を新ソリューションで支援

自動車衝突シミュレーターなどを生かした新ソリューションは、部品性能の信頼性向上にも資する

 機械部品などについてソフトウエア上で仮想の試作、試験、解析を行うコンピューター⽀援エンジニアリング(CAE)モデルを高精度に構築する際に役立つソリューションを、鉄鋼大手のJFEグループで分析部門を担うJFEテクノリサーチ(東京都千代田区)が立ち上げた。先端の高強度鋼板やアルミニウム合金など、まだ信頼性の高い材料データやCAEモデルが十分整備できていない分野を狙う。試作検証からCAE、設計への手戻りを抑制し、開発期間を短縮できると打ち出す。

 JFEスチールの製造業向けソリューションビジネスブランド「JFE Resolus(レゾラス)」のラインアップに加える形で提供する。JFEスチールが⾼強度鋼板による⾃動⾞⾻格部品の軽量化や⾼性能化で使ってきた評価・解析技術を、各種産業⽤⾦属の加⼯部品にも適するよう汎⽤化している。

 複数の機械試験の結果を総合することで、信頼性の⾼いCAEモデルを構築できることが最大の特徴。また、部品についてモジュール単位で衝突性能や剛性性能などの検証を行うことで、信頼性の向上にも資するという。

 ⾃動⾞⽤⾦属成形品を例にとれば、材料破断ミクロ解析から引張試験などの機械的試験、ひずみ挙動を表現するYUモデルなどのCAE材料モデル、プレス成形と不具合解析、外板パネル評価・解析を支援。さらに、自動車衝突シミュレーターなどを生かした部品衝突試験・解析、自動車剛性評価・性能解析、車体構成材料の調査データまで行う。

 このソリューションに使うCAEモデル・性能検証技術は、JFEスチールのスチール研究所が手掛け、複数の⾃動⾞メーカーとの共同開発に導入した実績を持つ。JFEテクノリサーチは⼀連のプロセスを⼀貫提供し、従来複数の試験、解析専⾨企業に分散していた開発⼯程を統合し、情報の途切れによる精度低下や時間的ロスを排除する。