2025.10.16 準天頂衛星「みちびき」11機体制へ NEC、測位ミッションペイロードの開発受注

準天頂衛星システム「みちびき」のフライトイメージ

 NECは15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、準天頂衛星システム「みちびき」の11機体制(第一期)に向けた測位ミッションペイロード(測位用装置群)の開発を受注したと発表した。

 同ペイロードは、衛星測位サービスを提供する上で欠かせない測位信号生成機器や距離計測機器、信号伝送のための通信機器などで構成される。NECは初号機以来、一貫してこの測位ミッションペイロードの設計・製造を担ってきた。

 今回の開発では、複数の原子時計を合成して従来のシステムを上回る周波数安定度を実現する機能や、ソフトウエアによって柔軟に機能構成を変更できるデジタル変調制御機能を新たに搭載する予定。より高精度かつ安定した測位性能を維持しつつ、将来的な機能拡張にも対応可能なシステムを目指すという。

 「みちびき」は2018年から4機体制で運用されており、2026年度には7機体制へ移行する見込み。7機体制になると、日本上空には常時4基の衛星が存在し、みちびき衛星単独での測位が可能となるという。さらに、バックアップ体制強化やカバーエリア拡大を目的に、最終的に11機体制へと拡充する計画だ。

 11機体制の実現により、都市部や山間部など衛星信号が遮られやすい地域でも複数の衛星からの信号を同時に受信可能となり、測位の安定性と精度向上が見込まれる。高精度・安定性を活用することで、自動運転技術やドローン運用などの分野における利便性・安全性向上が期待されている。