2025.10.17 ベルギーimec主導の車載半導体研究団体、米GFが加盟

英ケンブリッジでの春の集まりに参集したACPのメンバー

今後のSDVには車載用チップレットが不可欠今後のSDVには車載用チップレットが不可欠

 ベルギーに本拠を置く半導体研究機関のimecは15日、同機関が主導する自動車向けのチップレット技術の共同研究プログラムに米国半導体ファウンドリー企業のグローバル・ファウンドリーズ(GF)が加盟したと発表した。半導体を受託生産するファウンドリー企業の加盟は今回が初めて。

 研究プログラムの名称は「オートモーティブ・チップレット・プログラム」(ACP)。アイメックが24年に立ち上げ、英arm、台湾のASE(日月光半導体)、BMW、ボッシュ、ケイデンス、シーメンス、シノプシスなど自動車や半導体メーカー、EDA(電子自動設計)ベンダーなど世界的な企業が第1陣としてACP発足と同時に加盟している。

 今回、GFのほか、インフィニオン・テクノロジーズ、シンガポールの半導体パッケージング企業STATS  ChipPAC、日本の自動運転技術スタートアップのTIER IV(ティアフォー)がACPに加わった。

 チップレットは、従来のように1枚の大規模な半導体チップ(モノリシックSoC)にすべての機能を集積する代わりに、機能ごとに分割した複数の小さなチップを組み合わせて、パッケージ内で統合し、一つのシステムとして動作させる技術。歩留まり改善や機能追加、容易なアップグレードが特徴という。

 自動車はSVD(ソフトウエア定義型車両)への移行が進み、同時に車載コンピューティング性能の飛躍的性能向上が必須になっている。従来のモノリシックSoCでは、開発費用や製造の難易度、信頼性確保に限界がある。そこでアイメックはモノリシックSoCに代わるモジュール型のチップレット実現のために研究開発に着手した。