2025.10.30 ノジマの4~9月期 売り上げなど過去最高、家電や携帯事業がけん引 

 ノジマが30日発表した2026年3月期第2四半期(25年4~9月)連結決算は、スマートフォンなどの携帯電話やパソコン(PC)が好調に推移し、売上高は前年同期比17.7%増の4627億6800万円、営業利益は同38.6%増の276億6900万円で過去最高となった。経常利益は同42.8%増の306億2100万円、最終利益は同36.9%増の194億3100万円で、スルガ銀行などの持分法による投資利益を除くとそれぞれ過去最高を更新している。

 経営指標として重視しているEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)は同22.1%増の425億8800万円で過去最高を更新した。

 デジタル家電専門店運営事業は、東京都の省エネ家電向け補助金「東京ゼロエミポイント」や大決算セールでエアコンやPCなどが好調に推移。テレビや冷蔵庫は下回ったが、売上高は同9.0%増の1584億5600万円、経常利益は同14.5%増の111億5300万円となり、売上高は過去最高を更新した。デジタルエンジニアリングサービスを提供するGlobalLogic社とのDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めているほか、店舗は東京・神奈川のドミナント展開に加え、小型店出店や面積適正化も行っている。

 キャリアショップ事業も好調で、売上高が同9.6%増の1825億5400万円、経常利益は同96.6%増の111億5100万円となり過去最高だった。

 メディア事業はオフィス統合や放送システム共通化を行い、運営体制を効率化。主力のリスティング広告などが推移し、売上高は2倍以上に拡大。

 プロダクト事業は、Windows 10のサポート終了直前の買い替え需要により市場が伸長。全店舗で展示展開を実施したり、顧客ニーズに合わせた「フィットコンサル」を行ったりしたことで、子会社VAIO製品の販売が好調に推移した。8月に販売開始したVAIO独自基準で再生したPC「Reborn VAIO」は環境意識の高まりから注目され、複数企業に導入されている。売上高は342億1400万円、経営利益は31億4100万円となり、過去10年の最高水準で推移した。

 海外事業も売上高が過去最高。金融事業は25年8月13日付でマネースクエアHDの発行済株式を全て株式譲渡。連結の範囲から除外したことで、翌期の金融事業セグメントの開示はしない予定だ。

 通期連結業績は、売り上げ9300億円、営業利益560億円、経常利益600億円、最終利益400億円の見通しだ。幡野裕明取締役兼財務経理部長は「キャリア事業がまだまだシナジーを発揮できると考えている」と話した。

 家電・季節AVソリューション推進部長兼関連事業推進部長の温盛元取締役兼副社長は「エアコンは2027年問題などの影響で省エネ性が求められる。補助金を活用して購入するお客さまが多く、エアコンの売り上げ好調が上期の業績につながっている」と話した。