2025.10.30 即日見積もりの超純水設備 AI設計で納期30%減 栗田工業

e-WTのイメージ

 電子産業向けの純水装置などを手がける栗田工業は30日、短納期での導入が可能な超純水製造設備「e-WT」の受注開始を発表した。同社の子会社Fracta Leap(東京都新宿区)と共同で進める水処理のデジタル・トランスフォーメーション(DX)に向けた取り組みの一環。AI(人工知能)を活用した自動設計により、あらかじめ装置の構成を用意、顧客に合わせて調整できる。

 e-WTはFracta Leapと進める「メタ・アクアプロジェクト」の一環で、純水設備の設計自動化に向けて進めてきた研究開発のマイルストーンとなる。半導体製造での用途を主に想定。開発・販売を推進する事業会社InQuuater(東京都新宿区)を設立し、受注を行う。

 設計にAIを活用し、あらかじめスキット構成を用意しておき、受注後も即日で見積もりを出すことができる。設計から設置まで、工期を30%程度低減すると見込まれる。

 e-WTはクラウド接続が可能。遠隔でのランニングコストの低減提案など効果的な運転管理支援や、装置メンテナンスの提案を行うサービスも提供する。

 メタ・アクアプロジェクトは、純水装置で世界トップのシェアを有する栗田工業が、属人的な水処理分野のエンジニアリングのDX化を目指し2020年に発足した。e-WTの発表は重要なマイルストーンとなる。今後、設計期間の短縮や設計者の省力化に加え、水処理プラントのライフサイクルコストの最適化、環境負荷低減に向けても取り組みを進める。