2025.10.31 日亜化学、深紫外LEDの新光源技術を開発 出力密度2倍、放熱性能も20%改善

従来のUV-C LEDを並べた光源と新規技術を用いた光源のサイズ比較(出所:日亜化学工業)

 日亜化学工業は、深紫外LEDの新規光源技術開発に成功した。同社はこれまで、脱水銀社会実現を目指しさまざまな光源の開発を続けてきた。特に水銀ランプを置き換えるには、高出力・出力密度かつ放熱性に優れた光源が求められている。

 同社は半導体レーザー(LD)とLEDの両方を手がける数少ないメーカー。これまでに培ってきたプロジェクター用LDの高放熱パッケージ技術を応用し、高出力深紫外LEDチップと融合させる発想を形にした、新光源技術を確立したもの。出力密度は従来の2倍、放熱性能も20%改善している。

 この技術を搭載した光源を用いた、水銀フリーUV-LED水殺菌装置の開発に三浦工業が成功。日亜化学工業も三浦工業の量産化に向けて準備を進めている。開発した新光源と三浦工業の持つ水処理技術・ノウハウを組み合わせることで、既に量産している10m³/h製品と同一サイズの光源サイズで、処理水量は25m³/hへと大幅に向上。光源の小型化で装置全体の小型化も可能となり、設置が困難だった場所への導入も期待される。

 同社では今後、露光や硬化、水殺菌以外の分野でも課題解決に貢献していけると考えている。