2025.10.31 欧州自動車工業会が声明 ネクスぺリアの半導体出荷停止問題で苦慮

ACEAのシグリッド・デ・フリース事務局長

 欧州自動車工業会(ACEA)のシグリッド・デ・フリース事務局長は29日、オランダの半導体メーカー、ネクスぺリアの中国工場からの出荷が中止されていることについて声明を発表した。この中で、域内で生産している自動車メーカーは半導体不足で、非常に苦慮していると表明した。

 ネクスぺリアは、フィリップスの半導体事業が分離して誕生したNXPセミコンダクターズの標準品半導体部門。2017年にネクスぺリアとして正式に独立。18年には、中国の投資家グループが買収した。しかし、25年10月にオランダ政府が国家安全保障上の観点からネクスぺリアの経営権を掌握したことを受け、中国政府が対抗策を打ち出した

 フリース事務局長は声明の中で、車載電動システムの制御ユニットに使用されている半導体チップの不足は、欧州のみならず世界の自動車メーカーに打撃を与えていると指摘。さらに、「自動車業界はいま、予備在庫でしのいでいるが、供給の道は狭まっている」と、自動車業界が置かれた苦しい立場を強調。 「車の生産ライン停止が差し迫っているいま、外交努力で窮状を解決してほしい」と訴えている。