2025.11.04 ノキアとR&S、AI搭載6G受信機を共同開発 米ニューヨークで展示
ノキアとR&SがAI搭載6G受信機で協業
フィンランドの通信機器大手ノキアは3日、ドイツの計測器メーカー、ローデ・シュワルツ(R&S)と共同で、次世代通信規格「6G」サービスの展開を早めるAI(人工知能)搭載6G受信機を開発したと発表した。5日から7日まで、米ニューヨーク市で開く「ブルックリン6Gサミット」に展示される。
機械学習を使ったAI機能搭載の同受信機は、無線信号のひずみを特定し補正することで、6Gのアップリンクをカバーし、6Gサービスに大きな改善をもたらすという。
ノキアによると、受信機における機械学習機能はアップリンクの距離を増大する効果をもたらし、将来的にも6Gサービスの到達距離拡大につながるという。このため通信事業者は、既存の5Gの範囲を超えて6Gサービスを展開できるようになるほか、6G網構築の費用削減やサービス開始までの時間の短縮が可能となる。
今回の提携では、ノキア・ベル研究所がR&Sの各種6G関連測定装置と手法を用いて、6G受信機の性能を検証することになっている。
ノキア・ベル研のコアリサーチ部門プレジデントのピーターベター氏は、「将来の6G展開で直面する主要課題の一つが6Gの高周波スペクトラムで起こるカバレッジの限界克服だ。この課題を打破するためには多くのセルサイトを設けて密なネットワーク構築が必要になる。6G受信機で多くの地域をカバーすることで、AI技術により現在の5G以上に6Gインフラの構築が可能になる」と語っている。
今回、AI受信機の試験に当たり、R&Sのベクトル信号発生器「SMW200A」や信号・スペクトラムアナライザーの新製品「FSWX」などが使用される。








