2025.11.17 【IIFES特集】チノー 温度計測のループソリューションで事業拡大
高放射率平面黒体炉「IR-R41」
チノーは、計測器メーカーとしての新技術を伝える展示を予定している。単品製品の取り扱いだけでなく、温度の計測・制御・監視という一連の流れをシステム化して「ループソリューション」として提供するという強みをアピールしていく。
2026年発売予定の「高速高機能熱画像計測装置CPA-H」を参考出展する。一瞬で温度をキャッチし、窓越しの温度測定も可能なサーモグラフィーだ。一般的な熱画像では測ることができない炎やアーク放電、誘導加熱など瞬間的な温度計測が可能。フレームレートは500
Hzとなっている。測定波長を1.55㎛と短くすることで、ガラス越しに温度を測っても、ガラスの表面温度を写さずに奥に置いてある物の温度を測ることができる。今回、点ではなく面で熱分布を測ることができる素体の開発に成功した。用途やニーズは展示会などで探っていく予定。
記録計などのデータをクラウドで同期させるクラウドサービス「チノークラウド」も用意した。多数の計測情報をクラウドアプリに一元管理し、いつでもどこでも情報が引き出せる。主に、温度管理に厳しい決まりが設けられている食品業界や医薬業界で活用されているサービスだ。計測器と併せてワンストップで同社が提供しており、ループソリューションを加速させるサービスとして提案に力を入れる。
高放射率平面黒体炉の「IR-R41」は、温度計の正確性を確認するために行う「校正」の作業に使用し、サーモグラフィーや放射温度計の目盛り付けなどにも活用できる。低温の校正用黒体炉は放射率を1
に近づけることが困難だが、0.995を実現している。外部の放射の影響を極力少なくし、正確な温度を示すことができる。校正温度は-15~+120℃。この温度範囲で0.995以上を実現するのは難しく、IR-R41は業界でもトップクラスの高放射率を誇る。温度安定性は±0.2℃/30分。温度分布は100℃未満で±0.4℃、100℃以上で±0.75℃となる。









