2025.10.06 【九州半導体産業特集】チノー 前工程、材料対象に温度ソリューション
赤外線放射温度計「IR-CZ」
チノーは「第2回[九州]半導体産業展」に出展し、半導体製造前工程や材料を対象に温度の「計測・制御・監視」ソリューションを訴求する。
シリコン単結晶のインゴット(円柱状の塊)引き上げ時やSiC(炭化ケイ素)結晶成長の計測では、ビデオスコープ付き赤外線放射温度計「IR-CZ」を提案する。同温度計に設定表示器を組み合わせて温度を制御する。
狭い場所や暗い場所など作業者が照準合わせに苦労する環境でも、ビデオスコープを用いることで測定ポイントの視定が容易となり、温度測定の効率性を高める。
ウエハーの研磨では、ウエハーとサセプター(ウエハーを載せる台座)が同じ温度になると、両者の厚さが等しくなる。同社は小型放射温度計と記録計によりサセプターの温度管理を提案する。
エッチング工程では、異物を取り除く剝離液のリアルタイム・オンライン濃度監視のために赤外線水分計を訴求。異物を取り除く剝離液は水で薄めて繰り返し使用されるため、水分濃度を監視することで品質の安定、液寿命の延長を促す。水分計は液晶ディスプレーの工程で採用実績があり、半導体分野での採用を狙う。
ウエハー成膜の温度管理では、放射温度計、サイリスタレギュレーターに計装コントローラー「ForgaN(フォルガン)」を組み合わせて提案する。この仕組みによりウエハー成膜の複雑な制御に対応できる。
工程間のウエハー搬送では、小型放射温度計、設定表示器、調節計を組み合わせ、温度変化の低減を防ぐソリューションを展開する。
同社の放射温度計の技術力は高く、人工ダイヤモンド結晶成長の際の温度監視に活用されている。メタンと水素を混在させ、マイクロ波とプラズマにより種結晶を成長させるが、人工ダイヤモンド用のIR-CZは混合プラズマや窓ガラスの影響を受けずに計測できる。