2025.12.03 ルビコン、電源入力用アルミ電解コンデンサーを量産開始 次世代サーバー・データセンター向け 業界最高水準の高容量化・小型化を実現 

AEW、LEWシリーズ

 ルビコンは、次世代のAI(人工知能)サーバーやデータセンター(DC)向けの電源ソリューションとして、業界最高レベルの高容量化、小型化を実現した電源入力用アルミ電解コンデンサーを開発し、量産開始した。

 開発したのは、「AEWシリーズ」(105度2000~3000時間保証品)」と「LEWシリーズ」(105度1万2000時間保証品)の2シリーズ。小型で高リップル電流に対応する。

 生成AI市場やサーバー市場の急速な拡大に伴い、高性能で省スペースな電源ソリューションが求められている。AI技術の進化により、データ処理能力の向上が求められる一方で、サーバーの小型化や効率化も重要な課題となっている。

 新製品はこうしたニーズに対応して開発したもので、従来品よりも小型化を実現し、限られたスペースでも高い性能を発揮する。これにより、サーバーやDCの電源やアダプターなどの電源設計で、さらなる効率化と信頼性の向上が可能となる。

 開発したAEW/LEWシリーズは、新規開発の高容量電極箔(はく)とセパレーターを採用することで、小型・高容量化を実現した。今回採用した電極箔は、最先端のエッチング技術により高倍率化を図っている。この高倍率化により箔の強度は低下するためコンデンサ―製造工程での取り扱いを慎重にする必要があったが、自社開発の製造設備の改良により品質低下なくコンデンサーの製造が可能となった。また、高性能電解液を採用することで、電解質の安定性と導電性を強化し、コンデンサーの信頼性を向上させた。

 これらの技術的な改良により、新シリーズは従来のHXWシリーズ、LXWシリーズと比較して最大約20%の高容量化と体積比最大約17%の小型化を図った。新シリーズは、業界最高の高容量化・小型化シリーズを実現し、より高い性能が求められる現代の電源設計に、優れた選択肢を提供する。

 主な仕様は、カテゴリー温度範囲は-40℃~+105℃。定格電圧範囲400Vdc~450Vdc。製品サイズφ16×25Lmm~φ18×50Lmm。静電容量範囲はAEWシリーズが82μF~300μF、LEWシリーズが82μF~270μF。