2025.12.12 STマイクロ、欧州投資銀行から1800億円融資 研究開発や生産増強に

STMの仏クロレ工場

 スイスの半導体大手、ST マイクロエレクトロニクス(STM)は11日、欧州投資銀行(EIB)から10億ユーロ(約1800億円)の融資を受けることに成功したと発表した。STとEIBは1994年から協調関係にあり、今回が9回目の融資。累計額は42億ユーロに達する。

 10億ユーロのうち、最初の融資額となる5億ユーロは、研究開発(R&D)に加えて、イタリアとフランスでの量産品の半導体チップの生産増強に費やされる。同社はイタリアとフランス、マルタに主力工場があり、自動車用、工業用、個人機器用、通信機器向けの半導体を生産している。

 双方の合意によると、第1ラウンドの5億ユーロのうち60%は、イタリアのカターニアとアグラーテ、フランスのクロレにある各工場の生産増強に充てられ、残り40%はR&D強化への投資になる。

 EIBのアンブロワーズ・ファヨル副総裁は融資の理由について、「半導体はすべての産業の要で、産業発展の原動力になる。STMのR&Dに融資することは、欧州の技術開発の支援と同時に、将来的に高度な人材育成につながる」と説明した。