2026.01.03 【製造総合特集】大陽日酸・川元淳CSE事業部長 グローバル化が大きく進展 技術開発にも取り組み成長戦略加速

 日本酸素ホールディングス(HD)グループの大陽日酸は産業ガスで培った技術を生かし、イノベーション事業を推進している。中でも化合物半導体の成膜に使用するMOCVD(有機金属化学気相成長法)装置は、近年欧米を中心に海外での納入が拡大。2026年はグローバル展開を加速させつつ、新たな技術開発にも取り組んでいく。

 同事業を担うイノベーションユニットは①SI(Stable Isotopes)②イノベーション③CSE(Compound Semiconductor Equipment)─の3事業部で構成。MOCVD装置を手がけるCSE事業部では、着実に市場拡大が続くGaN(窒化ガリウム)をはじめ、Ga₂O₃(酸化ガリウム)などをターゲットの基板材料とする。

 川元淳CSE事業部長は「当社のMOCVD装置はさまざまな化合物半導体に適用できる。25年はこれまで成長が続いていたSiCのメイン市場であるEV(電気自動車)市場が低迷する一方で、GaNは応用領域が拡大した。GaN向け装置開発に注力する当社としては大きなビジネスチャンス。製品の納入が進む大学や研究機関向けからスケールアップし、スタートアップ企業などへの実績拡大につなげる」と意気込む。

 25年の実績として米国では、Lit Thinking社、オハイオ州立大学、欧州ではスウェーデンのLund大学とポーランドのUNIPRESS研究所に装置を受注・納入。「これまで日本での実績が中心だったが、昨年、本年とグローバル化が大きく進展している」(川元事業部長)。

 26年はさらにグローバル化を推進する。日本酸素HDグループとの連携を強化し、販売やサービスサポートを拡充。欧州NGE社で販売体制を新たに構築する。

 グローバル化とともに成長戦略を加速させるため、新たな技術の開発にも注力する。GaNやGa₂O₃などに加えて、新たな半導体材料や成膜構造などに適合した成膜装置を研究・開発し、将来の技術トレンドに追従できる装置開発を目指す。

 川元事業部長は「あらゆる産業の技術革新をけん引するAI(人工知能)では、将来的に光電融合などの次世代技術が求められる。そうした新技術領域に対応できる装置開発を加速し、さらなる成長を目指す」と意気込む。