2026.01.03 【製造総合特集】FUJI・五十棲丈二社長 実装工程の自動化を中心に全方位戦略 グローバル展開を加速

 FUJIは、実装機を中心としたロボットソリューション事業において、グローバル展開を加速している。2024年度を初年度とする3カ年の「中期経営計画2026」で、27年3月期に売上高1800億円の達成を目標に掲げる中、25年度第2四半期に過去最高の795億円を達成した。AI(人工知能)サーバー関連の需要拡大に伴い、電源周りの基板製造が好調に推移した動きが追い風となった。これを弾みに、一段の事業成長を目指す。

 地域別では、中国とベトナム、タイ、インドでの事業が堅調だ。中国は地政学的リスクを抱えているが、五十棲丈二社長は「実装機分野では、国家間の緊張による影響は現時点では限定的だ」と説明した。

 製品面では、実装機の最新機種「NXTR(ネクストアール)」への切り替えがほぼ完了し、生産はNXTRに集約。高速・高精度化と対象基板サイズの拡大により、スマートフォンやパソコン、車載などさまざまな市場へ対応する。SMT(表面実装)業界では自動化の流れが加速し、NXTRを導入した現場では、実装性能を「Sモデル」で検証し確立したプロセスを、その後、同一プラットフォームの「NXTR Aモデル」で自動化する動きが世界的に広がっている。背景には、自動化による人手不足対策や品質安定化がある。既に生産ライン周辺の自動化に成功しており、生産フロア全体の自動化に向け、26年中には残る手作業工程に対応するソリューションを用意する考えだ。

 今後はNXTR需要の増加を見込み、岡崎工場(愛知県岡崎市)の生産能力を倍増し、26年3月までに月1000台体制に引き上げる計画だ。

 AIサーバー需要は26年前半も続く見通しで、スマホやイヤホンなどのエッジ機器もAI対応に伴い高精度化が進み、NXTRの活躍の場がさらに広がる。NXTRの対応領域を補完する新機種も、来年から順次投入する予定。

 五十棲社長は「イノベーションの芽を見逃さず、どの地域、どの産業であっても、ユーザーが電子基板を作りたいと思った時にまず相談される会社になりたい」と語り、幅広い製品群の強化と世界中で同一品質・サービスを提供できる体制構築を進めることに意欲を示した。