2025.12.04 NEC、米顔認証決済サービス「PopID」に出資 グローバル展開を加速
NECは4日、米国の顔認証決済サービス事業者PopIDに出資し、本格的な協業を開始したと発表した。両社は、出資メンバーである決済端末大手 Verifone やオンライン決済サービス事業者 PayPal らと連携し、北米を中心に顔認証による決済サービスのグローバル展開を加速する。NECは、今年度中のサービス提供開始を目指す。
世界的にキャッシュレス化が進む中、生体認証を活用した次世代決済手法への注目が高まっている。特に米国では、クレジットカード保有率の低い若年層や信用審査を通りにくい人にとって、利便性と安全性を両立した決済手段のニーズが高いとされる。こうした背景から、顔認証決済の導入が進んでいる。
PopID は、顔認証を活用した決済や建物・イベントへの入場を可能にするプラットフォームを提供。米国内で主要ファストフードチェーンなどを含む1000店舗以上で導入されている。ユーザーは自身の顔写真を専用アプリで登録し、クレジットカードや銀行口座とひも付けることで、財布やスマートフォンを携帯せずに決済できる。銀行口座からの直接引き落としにも対応しており、加盟店側では取引手数料の削減が見込まれている。
今回の出資は、エコシステム型コーポレートベンチャーキャピタルファンド NEC Orchestrating Future Fundを通じて実施。PopIDが本年5月に実施したシリーズCラウンドを基盤としたもので、多数の決済関連企業が参加した。同ラウンドを主導した Verifone のほか、PayPal、Visa、Chipotle、Commerce Ventures などが名を連ね、顔認証決済を巡るエコシステムの拡大が期待されている。
NECはこれまで、空港やスポーツ施設を中心に顔認証ソリューションを提供してきた実績を持つ。今回、同社の高精度な顔認証技術と PopID の決済プラットフォームを結合させることで、北米やグローバル市場で安全・安心な顔認証決済の普及につなげたい考えだ。






