2026.01.13 ソフトバンク、基地局の脱炭素化を推進 AI制御による省電力化と再エネ自家発電で

再エネを活用した自家発電型基地局

AIを用いた基地局のスリープ制御システムAIを用いた基地局のスリープ制御システム

 ソフトバンクは、AI(人工知能)で基地局の低消費電力状態「スリープ」を制御して省電力の効果を最大化するシステムを開発し、一部の局を対象に導入を始めた。合わせて、再生可能エネルギーによる「自家発電型」基地局の実証も千葉県市原市で開始。こうした取り組みを通じて、通信インフラの脱炭素化を促していく。

 同社はグループ全体で、取引先などを含めたサプライチェーン(供給網)全体で排出する温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにする「ネットゼロ」の実現を目指している。今回の二つの取り組みは、その一環だ。

 中でも、AIを用いた基地局のスリープ制御のシステムは、1.5ギガヘルツ帯の基地局から導入を始め、順次拡大していく計画だ。このシステムは、通信トラフィックが少ない時間帯に一部のセルを自動でスリープへ移行させ、通信品質を維持しながら消費電力を削減していく。

 具体的には、AIを生かして人の流れや通信量を分析し、通信品質を保ちながら基地局の省エネ運用を進める。利用が少ない時間帯に基地局の一部を停止するスリープ制御では、周辺の基地局で通信を十分に補えることが条件となる。AIを駆使することで、停止可能なセル数が約1万4000から約2万4000に拡大する見通しだ。

 さらに、スリープの可否を判断する際に最適な閾値(しきいち)を自動で設定できる。試算によると、1局当たりのスリープ時間が約1.4倍に拡大する見込み。スリープの実施後に通信品質が低下した場合に通常運用に戻す仕組みも備え、年間で約500万キロワット時の電力削減を見込む。

 一方、基地局で使用する電力での再エネ比率を高めようと、太陽光と風力を組み合わせた自家発電型基地局の実証にも乗り出した。天候や時間帯に左右されにくい持続的な発電を実現できる基地局で、蓄電の残量が規定値を下回ると自動的に商用電源に切り替る。稼働に必要な電力の一部を自家発電で賄うことで、二酸化炭素(CO₂)の排出量を削減できる。

 停電時には、一定時間の自立稼働が可能なため、災害時の通信確保などにも役立つ。災害時などの活用を想定し、2026年度以降に一部地域へ拡大する方向で検討する。風を効率的に集めて加速させる「ディフューザー」を備えたレンズ状の小型風車を採用しており、離島や山間部など風況が不安定な地域にも適しているという。