2026.02.22 独Ionity、欧州の超急速充電網を整備 都市のEVインフラ整備
英バーミンガムの充電拠点。高速道路中心の戦略から転換し、都市型充電拠点を拡充する
欧、米、韓国の自動車グループ5社などが出資する欧州最大の充電サービス会社、Ionity(アイオニティ、独ミュンヘン)は、高速道路中心の戦略から転換し、都市部へのサービス展開の強化や超急速充電機種の導入など、事業拡大に向けた取り組みに努めている。
同社は2017年、BMW、メルセデス・ベンツ、フォード・モーター、現代自動車グループ(HMG、起亜自動車含む)、フォルクスワーゲングループ(アウディ、ポルシェを含む)の5社が出資し設立した。21年には、先週韓国のSKハイニックスに5%出資を発表した資産運用会社の米ブラックロックが自動車分野以外で初めてアイオニティへ出資している。
同社は2月中旬時点で、欧州847拠点に5975基の充電装置を設置する欧州最大の充電サービス事業者。イタリアのAtlante、オランダのFastned、フランスのElectraといった各国の大手事業者ともに4社連合「ChargeLeague」を組織し、欧州の大規模充電ネットワークを構築した。アイオニティが中核的な存在だ。
同社のイエロン・ファン・ティルブルCEOが目指すのは、欧州最大級の高速EV充電網だ。500kW級の超急速充電設備の整備に加えて、相互運用性の確保や広域エリアへの拡大、さらに都市部でのインフラ展開が進んでいる。
超急速充電は昨年12月、ノルウェーの内陸部エルヴルムに、ポーランド企業のエコエネルゲティカ社製で同社初となる500kW超急速充電装置を開設した。従来の350kWを超え、同社にとって史上最高出力の充電設備を設置した。フランスでも、イタリア企業のアルピトロニク社の1台の車両から、最大600kWを供給可能な充電装置「HY1000」を、今月2カ所に設置済みだ。ドイツでも近々設置予定だ。
同社では、ポルシェ、HMG、BYDなどの500kW対応の上位車種が欧州でも今後増えることが予想されるため、超急速充電サービスの拡大に期待を寄せる。
昨年12月には、競合他社のネットワークを対象に、自社サービス施設を開放すると発表し、相互運用に乗り出した。欧州全体でEV充電の相互接続性の向上を図ることが目的だ。アプリや決済方式を統一する可能性が出てくる。
広域拡大では、ChargeLeaagueの結成により、各国の高速道路を高速充電網でカバーし、EVによる欧州の横断旅行が一段と楽しめるようになった。
アイオニティは4日、英バーミンガム市アストン地区に新たな充電基地を開設した。市中心部から徒歩20分に位置する都市型の充電拠点で、高速道路を中心としてきた同社の戦略から踏み出した新展開となる。ファン・ティルブルCEOは狙いについて、「大都市中心のハブ型急速充電拠点の拡大が必須」と語っている。












