2026.03.04 パナソニック インダストリー、中国で多層基板材料の生産ライン増強 AIサーバー需要に対応

多層基板材料「MEGTRON」

生産体制を強化する「パナソニック デバイスマテリアル広州」生産体制を強化する「パナソニック デバイスマテリアル広州」

 パナソニック インダストリーは、中国の電子材料主力工場の一つ「パナソニック デバイスマテリアル広州」(広州工場)に約75億円を投じ、高速通信ネットワーク機器など幅広い分野で使用される多層基板材料「MEGTRON(メグトロン)」の新ラインを増強する。2027年4月に稼働を始める予定。同年度内に量産体制を構築することを目指す。

 広州工場では、情報通信インフラ機器向け多層基板材料として業界をけん引してきた「MEGTRON6」から、AI(人工知能)サーバー向け高速伝送に対応する「MEGTRON8」まで幅広く生産する。

 今後は、さらなる高速伝送を可能とする次世代型AIサーバー向けMEGTRONシリーズなど最先端材料の重要な生産拠点として位置付けていく。

 新ラインでは、製造プロセスのDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しながら自動化や省人化にも注力。拡大する中国市場の需要に応え、さらなる生産効率の向上に取り組む。

 25年9月に発表した東南アジア市場をターゲットとしたタイ・アユタヤ工場における新棟建設に続くグローバル生産体制の強化策の一環だ。長期的な成長が見込める中国市場を重点市場として位置付け、広州工場のラインを増強する。

 昨今の生成AIの進化と社会への浸透を背景に、AIサーバーをはじめとする情報通信インフラ市場は拡大の一途をたどり、通信データ量は飛躍的に増加することが予想されている。これに伴い、サーバーやスイッチ、ルーターといったインフラ機器は、通信の高速・大容量化と演算性能の高速化が求められている。

 これらに用いられる電子回路基板材料には、安定的で効率的に信号を送ることができる低伝送損失の特性がより一層必要とされている。

 同社では、独自の材料・プロセス技術に強みを持ち、業界最高レベルの低伝送損失を誇るMEGTRONのグローバル生産体制を強化。総生産能力は25年度からの5年間で約2倍に拡大する計画だ。

 04年に量産を開始したMEGTRON6は、ハイエンドサーバーに採用された低伝送損失多層基板材料の先駆けとして、14年4月に「第46回市村産業賞 功績賞」、16年3月には「第62回大河内記念生産賞」を受賞している。