2026.04.20 【データセンター総合特集】ニチコン 長L形アルミ電解コンデンサーなどに注力

ニチコンの長L形アルミ電解コンデンサー

 ニチコンは、AI(人工知能)サーバーや情報通信などの成長市場を重点に製品開発を進める。生成AIの急速な普及に伴うAIサーバー市場の世界的な需要を着実に捉える。

 AIサーバーは汎用サーバーと比べて消費電力が大きく、GPU(画像処理半導体)の負荷変動に伴う瞬間的な電流変動も激しい。電源回路には電力の安定供給が強く求められ、電源ラインを平滑化する電源入力用コンデンサーの性能がサーバー全体の安定運用を左右する。

 今回開発したのは高性能化のニーズに応える450~500V対応の「長L形アルミ電解コンデンサー」。AIサーバーの電源向けで長さが最大100mmの高容量・大電流対応品。サーバーラックに交流240Vで入力された電力を直流に変換する電源回路に横向きに実装。厚みに制約があるため、直径を大きくせずに長さを伸ばすことで、静電容量を確保した。

 特徴は、限られた製品寸法に高容量を収容するため、高倍率の新陽極はくを採用した点だ。強度の低い陽極箔を製品幅に裁断するスリット技術、アルミリード板を冷間圧接する加締技術を改良した。

 直径×長さが同一の素子外形寸法の中で陽極箔を最大限収納するため、薄手セパレーターや陰極箔など低強度部材を扱う巻回技術の改良も実施。電解液の均一浸透を実現するため、新たな含浸技術も適用した。複数の生産技術の高度化により、同一サイズの従来品に比べ20%以上の高容量化を達成。業界トップ級の性能を実現した。

 125℃で4000時間保証の導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサー「GYGシリーズ」はAIサーバー、通信基地局での需要に対応。高容量箔と薄手セパレーターを採用しており、同社標準シリーズ「GYAシリーズ」の温度保証と耐湿保証を維持しつつ、3ランクの高容量化と最大1.8倍の高リプル性能を実現している。これにより、ユニットの軽量化、小型化、回路設計の高性能化に貢献する。