2026.07.06 【電子部品技術総合特集】日本航空電子工業・中島伸一郎フェロー・商品開発センター長 社会課題の解決が責務
データ解析高度化へ研究開発推進
日本航空電子工業は、センシングやプロセス、マテリアル技術を競争力の源泉と位置付け、社会課題解決を自らの責務と捉えている。さらに、社会課題の市場課題への転換を実現するイノベーターとして産業創出への貢献を目指し、研究・開発を推進する。
中島伸一郎フェロー・商品開発センター長は、研究開発の考え方について「現在の世界は政治・経済・自然環境の各領域で不確実性が増している。また、ウェルビーイング重視の価値観が新たな社会的潮流として広がりを見せている。そして米巨大テック企業が君臨し高度なビジネスモデルを確立している」とし、「電子部品企業の研究開発活動も次代のソーシャルリアリティー形成に主体的に関与すべき責務を担う。
同時に日本企業としての存在意義と価値を見据えた戦略的かつ持続的な取り組みが求められる。その根幹に据えるべき視座が経済安全保障」と話す。その上で「国内電子部品メーカーの技術部門は、『戦略的自律性』と『戦略的不可欠性』という二つの要諦を踏まえ、従来にも増して高度かつ体系的な研究開発運営が不可欠」と説明する。
同社は通信技術やAI(人工知能)技術が進展する中、データ取得や解析技術の高度化への研究開発を進めている。航機事業に関わるセンサーやセンシング技術開発の成果には、独自のMEMS加速度計を活用した老朽化インフラ診断技術実証、独自の水位計システムによる防災・減災向けセンシング技術実証、科学技術振興機構(JST)プロジェクト参画による量子センサー開発などがある。
コネクター事業のモノづくり技術高度化にも力を注ぐ。潤滑や摩耗などに着目した独自の材料特性制御技術「wearzerO(ウェアゼロ)」の高度化にも注力する。
同技術を応用した接点界面設計により、自動車向けコネクター端子での銀めっき膜の摩耗を大幅に抑制し高評価を得ている。同技術はスズや金にも適用でき、特に金めっきでは摩耗抑制に加え材料使用量の大幅削減を実現する。「現在は量産化に向け、実サンプルでの検証を進めている」(中島フェロー)。
製造工程での不具合要因を超高速で解析するためのAIアルゴリズム開発も進めている。










