2021.01.22 【照明総合特集】トップが語る21年事業戦略コイズミ照明 梅田 照幸代表取締役社長

梅田 社長

ウィズコロナの商品戦略強化

データ公開など コト提案に力を入れる

 20年は新型コロナウイルス感染症の拡大で、テレワークの普及など、今までとは違い一挙に新しいことが進んだ。

 テレワーク率が高まり展示会もできないため、ウェビナー開催で新製品を紹介。コンテンツも内製化し、東京・大阪にスタジオを作って担当者がそれぞれ紹介した。従来のカタログ一辺倒から、顧客との付き合い方が大きく変わった。また、家電製品でIoT化が進展したが、照明の分野でもIoT化が進んだ。

 業績的には、インバウンド需要がゼロとなり、ホテル、商業施設、飲食店での投資が減り、照明器具にも大きな影響が出たが、一方で住宅向けでは、テレワークの進展など巣ごもり需要により、好調な商品もあった。

 中でもIoTに絡む照明器具が好調で、当社では照明制御アプリTReeが、当社の製品約3千アイテムを制御することができ、そのTRee自体がスマートスピーカなどでも操作することが可能で、普及が加速した。

 コロナ禍で、非接触ニーズが高まる中、スマートスピーカから照明器具を音声で制御する点が評価された。

 21年は経済環境が好転し、底を打つと思われる。照明市場ではスクラップ&ビルドが加速し、ストックのLED化が今年は加速するとみられる。

 加えて、カーボンニュートラルが打ち出され、環境への意識も高まる中、LED化はより加速していくと考えられる。また、万博開催や再開発プロジェクトなど明るい材料も残されている。

 こうした中、ウィズコロナの商品戦略をさらに強め、顧客へのアプローチの仕方を変える。CAD大手・オートデスク社のBIMアプリケーション「Autodesk Revit」向けの照明器具BIMファミリデータを昨年から公開し、設計者にとっての作業効率改善に貢献してきたが、施設用照明全アイテムの公開などさらに強化し、コト提案に力を入れていく。

 また今後、DX推進部を立ち上げ、個別のお客さまごとの商品開発精度を高めていく。職種ごとに細分化し、ダイレクトに刺さる製品開発、営業力強化に力を入れる。