2021.05.21 防災支える蓄電システムなど展示グッドデザイン賞受賞製品を一堂に展示会
展示会会場(左から2点目がELIIY ONE)
東日本大震災の被災地復興を支えたり、防災に貢献したりしてきた様々な製品や取り組みのうち、グッドデザイン賞を受けたものを広く紹介する展示会が、東京都内で始まった。エリーパワーのポータブル蓄電システムをはじめ、電機関連の分野からも展示されている。
グッドデザイン賞を手がける日本デザイン振興会はかねて、被災地復興のためのデザインの支援を進めてきた。今回の展示会「東日本大震災とグッドデザイン賞 復興と新しい生活のためのデザイン展」は、2011年度から20年度まで、東北6県などでグッドデザイン賞を受けた約500のデザインをグラフィックで紹介。うち、グッドデザイン・ベスト100に選ばれたデザインについては、会期中の前期と後期に分けて詳しく紹介している。
このうち、エリーパワーのポータブル蓄電システム「ELIIY ONE(エリーワン)」(前期で展示)は、14年度のグッドデザイン特別賞「未来づくりデザイン賞」や、グッドデザイン・ベスト100を受賞した。
4万8500mAhの大容量バッテリーで、スマホ約20台分、タブレット約7台分の充電が可能。LED照明器具も80時間点灯できる。USBポートを10口備えており、複数機器の同時充電が可能。持ち運びしやすく、太陽光パネルとも接続でき、長期の停電時やアウトドアにも活用できる。
受賞の際には引き合いが増え、非常時にも通常時にも使える製品として息長く売れているという。
同社は東日本大震災の際、別の可搬型の蓄電システムを宮城県名取市で活用してもらったり、19年の千葉県の大規模停電の際に蓄電システムを無償貸与したりもしてきた。グッドデザイン賞もたびたび受賞している。
また、パナソニックの「電池がどれでもライト」(Panasonic BF-BM10)は、4種類の電池1本から点灯し、LED化、ダウンサイズ化、懐中電灯とランタンのダブル機能を加えた品(14年度に受賞)。また、東芝の次世代エネルギー事業開発プロジェクなども活動が紹介されている。
同会は「災害という課題にデザインがどうこたえようとしてきたか、ということの一端を、グッドデザイン賞を通して紹介したい」としている。