2021.06.15 都市ガスもカーボンニュートラル東京ガス、国内初の「適正」評価
CN都市ガスができるカーボンニュートラルLNGのロゴマーク
東京ガスは15日、国内で先駆けて販売を進めていた「カーボンニュートラル都市ガス」(CN都市ガス)について、第三者機関による検証を受けて、温室効果ガスの排出管理などが適正だとの評価を受けた、と発表した。使用時までに発生する二酸化炭素(CO₂)などを実質ゼロとみなした運用が、国内の機関で認証された格好だ。まだ、国内の法的位置づけが明確化されていない中、自主的に客観的評価を受けて、普及に弾みをつける方針だ。
CN都市ガスは、カーボンニュートラルLNG(液化天然ガス)を気化して製品化する。使用までに発生する温室効果ガスを、省エネや森林保全などの取り組みで相殺させたLNGであるため、地球規模ではCO₂などが発生しないとみなせるとされる。対象となるCO₂削減効果分のクレジットについては、国際的な検証機関に既に認証を受けている。
国内では東京ガスが先駆けて19年6月に輸入を開始。だが、政府や民間などの温暖化対策を総合的にまとめた「地球温暖化対策推進法」には、CN都市ガスについて具体的な記述がないなど、まだ明確な法的な位置づけがされていないのが現状だという。
そこで、東京ガスは、国内の温室効果ガス排出量の検証機関である日本品質保証機構に第三者となってもらうよう依頼。19年度と20年度の販売実績分について、国内でLNGを引き受けてから消費されるまでの排出量が、国際的な基準やルールに基づいて適正に算定されているかや、排出分と相殺するクレジットが適切に紐づけられているかといった点を検証してもらった。このたび、「適正である」との見解がまとまり、報告書を受け取った。CN都市ガスが第三者の検証を受けるのは国内で初めてだ。
これを受け、東京ガスは両年度にCN都市ガスを利用した顧客6社に対し、供給証明書を発行していくという。東京ガスは「品質管理が大事な製品であり、第三者の検証で、より透明性が高まった。健全な市場形成のために、一石を投じる取り組みだった」と話している。
カーボンニュートラルLNGを巡っては、東京ガスや活用するオリンパスや東芝など大手企業が3月、普及を後押ししていくため、連携団体を設立。利用価値の向上を訴えている。