2021.09.22 【関西エレクトロニクス産業特集】ベンチャー家電便利で面白い商品を関西から発信

アウトドア用LEDライトのルーシーランタン

 近年、新型コロナ感染症の影響で、家で過ごす時間が増えている。今後も引き続き、家電への高い関心が続く。こうした中、一人だけでなく家族も使用でき、「おうち時間」を豊かにする、便利で面白い商品をつくっている会社が、関西にはたくさんある。

 「アラジン」ブランドで暖房機や調理家電などを販売する日本エー・アイ・シー(兵庫県加西市)のグラファイトトースターが人気だ。

 同社は2015年9月にアラジンブランドの暖房機として展開していたわずか0.2秒で発熱する千石(同)による特許技術「遠赤グラファイト」を、世界で初めて搭載した4枚焼き「Aladdin(アラジン) グラファイト グリル&トースター」を発売。これを機に、トースターの開発・製造に参入した。

 グラファイト グリル&トースターは、本格調理性能とレトロなデザインが支持され、初代モデルから5年間の累計販売で100万台(20年10月)を記録し、多くのファンがいる。

 今年4月からグラファイト グリル&トースターの最新モデルを投入し、トースターでありながら炊飯もできるなど、本格的で多彩な調理性能が引き続き好評だ。

 来春には、コーヒー本来のおいしさを引き出す業界初の特許技術「バイパスドリップ」を採用した家庭用コーヒーメーカーも投入する予定で、早くも話題となっている。

 個性的な調理家電やアウトドア商品を企画・販売しているライソン(大阪府東大阪市)はこのほど、新製品の「マルチファウンテン」「ルーシーランタン」を発売。

 チョコレートを噴水上に流すマルチファウンテンは、全長約20センチメートルのコンパクトサイズ。チョコのほか、はちみつやチーズでも使用でき、外でクリスマスや年末年始などのイベントができない中、家庭で楽しめる調理家電となっている。

 ルーシーランタンは、家でも使えるデザインのアウトドア用LEDランタン。本体の一部は、アウトドア用ガス缶のOD缶を再利用。地球にやさしいアウトドアグッズで大自然を楽しんでほしいという思いでつくったという。

 前年と比べ、1.6倍を売り上げるなど、商品需要は上高まっている。昨年からテレビでも取り上げられるなど、注目度も高い。今後も、他社ではつくれないとがった商品づくりを目指していく。

 山善は、劇場版アニメーション「Fate/stay night [Heaven's Feel]」とコラボした「USBミニサーキュレーター」全4種を8月5日から、予約限定販売している(予定数量に達し次第予約終了)。

 コラボ商品の発売に際し、現状獲得できていない新たな顧客層の開拓を目指す。同社の主要顧客層である30~40代と比べると、若年層の認知度が低い。そのため、コラボ企画などの面白い商品づくりに取り組み、アプローチしていく。

 同商品は、USB電源で首振り機能を搭載しており、アニメのイメージに沿った小型の卓上タイプとなっている。

 種類は4色展開。キャラクターのイメージを壊さぬよう、色味や透け感などのデザインにもこだわっている。

 また、生産台数は、各種500台。商品のレア感を出すため、今後のコラボ商品も大量生産はしないという。