2022.02.04 【5Gがくる】ローカル5G簡単解説<73>アフターコロナのDX&ローカル5Gを占う①
きょう2月4日から北京五輪が開幕する。2022年の春節(旧正月)は2月1日になるため、中国の旧暦正月休みに冬季五輪が開催されるわけだ。
春節と言えば爆竹を思い出す。中国には「閉門爆竹」と呼ばれる魔よけのけたたましい爆竹の音と火花で新年を祝う風習がある。しかし、今年は五輪開催のため爆竹の使用が禁止になったとか。
旧暦の干支(えと)は、十干(甲、乙、丙、丁…)と十二支(子、丑、寅、卯…)の60通りの組み合わせからなり、六十干支とも呼ばれる。
今年の干支は「壬寅(みずのえとら)」であり、十干の「壬(みずのえ)」と十二支の「寅(とら)」の組み合わせだ。壬は「妊」に通じることから「生まれる」という意味があり、寅は「動き始める」という意味があるそうだ。そのため今年は「厳しい冬を越えて、新しく立ち上がるために動きだす一年」になるという。
期待が持てる一年
コロナ禍が終息してニューノーマル(新しい日常)時代が幕を開けるのか、ローカル5Gの導入が本格的に始まりデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル変革)の巨大な市場が動きだすのか、いずれにしても期待が持てる一年になりそうだ。
さて、20年6月に新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術戦略研究センターから「コロナ禍後の社会変化と期待されるイノベーション像」という資料が発表されている。
コロナ禍による最初の緊急事態宣言が解除された直後のものだ。その中で、コロナ感染症への対応として次の三つのシナリオが描かれている。
シナリオ①は、新たな集団感染事例が減少するとともに、ワクチン開発と薬での回復が可能となり、コロナ禍以前と同様の経済活動に戻るというもの。
シナリオ②は、経済活動の抑制を断続的に繰り返した後、2~3年後に薬やワクチンの開発もしくは集団免疫の獲得で、グローバル化は後退するもののコロナ禍以前の経済活動に徐々に戻るというもの。
シナリオ③は、集団免疫獲得に失敗し、経済活動の抑制を断続的に繰り返す状態でのニューノーマルが定着し、新しい経済活動方針を策定しているというもの。
シナリオ③は最悪の結果で、コロナ禍以前と同様の経済活動には戻れないことを想定している。
残念ながら現状は、シナリオ①にはなっていないだろう。コロナウイルスが感染力を増しながら次から次へと変異し急速に感染拡大している現状を見る限り、楽観視してもシナリオ②で、将来のことは見通せないとはいえ、シナリオ③に近い状態も想定しておかなければいけないと思うのは筆者だけではないだろう。
DXが幅広く進行
同資料では今後、ビジネスのオンライン化やリモート化、DXが幅広い分野で進行すると予測。そのいずれにも必要とされる5Gが、IoTや人工知能(AI)とともに「壬寅」として動きだすのだろうか--。占ってみたい。(つづく)
〈筆者=モバイルコンピューティング推進コンソーシアム上席顧問。グローバルベンチャー協会理事。国士舘大学非常勤講師・竹井俊文氏〉