2022.10.26 【「名古屋ネプコンジャパン」特集】ポートメッセなごやで26日開幕、中部向けに最先端技術発信

前回(21年)の「名古屋ネプコンジャパン」

 「名古屋ネプコンジャパン」「名古屋オートモーティブワールド」「FACTORY INNOVATION Week NAGOYA」の3展示会が26日から28日まで、ポートメッセなごや新第1展示館(名古屋市港区)で開催される。主催はRXジャパン。名古屋ネプコンジャパン会場では、IPCが主催する「はんだ付コンテスト日本大会2022」も行われる。

 SMTを中心とした製造技術・装置展の名古屋ネプコンジャパンと、自動運転などの技術が集結する名古屋オートモーティブワールドは5回目の開催となり、FACTORY INNOVATION Week NAGOYAは、これまでの「名古屋ロボデックス」などを総称して新たに開催する。いずれも東京で今年開催された展示会の名古屋版になる。韓国、ドイツ、イスラエルなど海外勢を含め、3展示会合わせて570社の出展が予定されている。

 名古屋を中心とした中部地方は、自動車や工作機械、航空機などさまざまな産業が集積し、日本経済を支えている。主催者のRXジャパンは従来、東京だけで開催していた産業系の展示会を全国に拡大しており、名古屋開催もその一環になる。

 名古屋ネプコンジャパンは、基板実装に関わるマウンター、リワーク/リペア装置、はんだ印刷機、はんだ付け装置、基板分割機、コンベヤー、パレタイジングロボットなどが出展される。また電子部品・材料、プリント配線板、微細加工技術、半導体・センサーパッケージ技術なども紹介される。EMS企業の出展も予定されている。

 名古屋オートモーティブワールドは「名古屋カーエレクトロニクス技術展」「名古屋EV・HV・FCV技術展」「名古屋クルマの軽量化技術展」「名古屋自動車部品&加工EXPO」「名古屋自動運転EXPO」の合計5展からなる。

 ADAS/自動運転技術はじめ、カーエレクトロニクスに関する部品、材料、ソフトウエア、テスト装置、EV、HV向けモーター、二次電池、駆動システムなど関連技術が一堂にそろう。半導体メーカー、エレクトロニクス商社も出展する。

 FACTORY INNOVATION Week NAGOYAは、5回目の名古屋ロボデックス、「名古屋スマート工場EXPO」と第1回開催の「名古屋グリーンファクトリーEXPO」の3展構成。

 IoT/M2M技術を駆使したスマート工場の提案ほか、ロボットの活用による省力化・自動化といった人手に頼らないものづくりがそろう。また、FEMS、CO₂/エネルギー見える化、再生エネルギー、省エネ機器など工場のカーボンニュートラルを実現する技術や製品が出展される。同展で注目されるのがスマートファクトリー。スマートファクトリーは、IoT技術を活用した生産システムにより、製造業の生産性を革新的に向上させ、最終的には工場の無人化、全自動生産化を実現する。

 会期中、講演やセミナーが行われる。ネプコンジャパンでは「TSMCジャパン3DIC研究開発センタの概要と取り組み」と題して、TSMCジャパン3DIC研究開発センターの江本裕センター長が基調講演を行う。

「はんだ付コンテスト日本大会」も開催

IPC「はんだ付コンテスト日本大会」前回大会の模様(2019年9月ネプコンジャパン名古屋会場)

 「ネプコンジャパン名古屋」会場で実施されるIPC主催の「はんだ付コンテスト日本大会2022」には、24人がはんだ付け日本一を競う。

 IPC(ジョン・W・ミッチェル会長)は1957年に発足し、本部を米・イリノイ州に置く。電子機器プリント基板、製造装置などの品質・プロセスに関わる国際標準規格を定めている。IEC(国際電気標準会議)が、国レベルで電気機器の標準化を扱うのに対して、JPCは企業メンバーと共に業界の標準化規格を策定し、普及活動を行っている。

 アップル、コンチネンタル、フォックスコン、GE、NASA、インテル、トヨタ、ソニー、パナソニックなどグローバルメーカー4000社以上がIPCの会員になっている。

 IPC標準規格は、世界各国の自動車・車載部品、スマートフォン・デジタル家電、航空機器、医療機器など多様な製造業が採用している。

 日本では、はんだ付けロボットメーカーのジャパンユニックスが、2015年からIPCの総合代理店となり、標準規格書の販売や規格の普及推進活動を行っている。日本代表は同社の河野友作氏が務めている。

 はんだ付コンテストは、はんだ付け技術の向上を目的に日本のほか、欧州やアジア各国で開催しており、各国の優勝者でチャンピオンを競う世界大会も行っている。7月中旬に1次予選、8月以降に2次予選をそれぞれリモート形式で実施してきた。千住金属工業、日本スペリア社、ジャパンユニックス、JBCが協賛している。

 優勝者は、11月にドイツ・ミュンヘンで開かれる「エレクトロニカ2022」(メッセミュンヘン主催)の会場で、会期中に開催予定の世界大会の参加資格が得られる。

 世界大会は11年に第1回大会を開催し、今回が10回目。同世界大会は、中国・フランス・ドイツ・イギリス・インドネシア・韓国・タイ・ベトナムなど各地域の代表が参加し、はんだ付け技術の世界チャンピオンを競う。 19年1月に米・サンディエゴで開かれた同世界大会では、18年6月のプロテック会場で開催された日本大会で優勝した松並亮輔さん(滋賀県守山市、ピーダブルビー)が参加し、史上初のパーフェクトスコアで優勝する快挙を成し遂げている。