2023.01.18 【情報通信総合特集】大塚商会 大塚裕司社長

お客に寄り添いDXで共に成長

 2022年はGIGAスクール特需の反動もあり厳しい立ち上がりだったが、さまざまな商材でカバーする動きが出てきた。12月期決算は当初計画より上振れる見通しが出てきた。新型コロナウイルス感染拡大でできなかった対面営業が増え、新しいソリューションを見てもらえるようになったのが大きい。

 電帳法改正やインボイス制度に向けた補助金も後押しし、デジタルトランスフォーメーション(DX)に興味を持つ企業のニーズをつかむ製品も用意した。基幹系の統合業務パッケージ「SMILE(スマイル)V2」は順調に伸びている。スマイルV2と情報系パッケージサービス「eValue(イーバリュー)V2」を統合して、データベースを共通にした「DX統合パッケージ」もまもなく市場投入する。新制度への対応は経費アップではなく、プロセスの見直しにつなげれば結果的にコスト削減になる。

 顧客の声に耳を傾け課題を解決していく複合ソリューション提案の取り組みも定着してきた。コピーだけでなく、クラウドサービスも同時に勧めるなど、幅広い商材やサービスを生かして企業の課題を解決する「オフィスまるごと」の成果が出てきている。

 19年8月から実施している人工知能(AI)を活用した営業支援は、ハード系では約5%営業数字を押し上げた。ただ、これまでは開拓に苦労する営業社員へのリコメンドが中心。今後は営業社員全体への活用も検討し、より強いシステムにしたい。

 AI開発を手掛けるdotDataとの戦略的提携で、月額5万~10万円で動かせるAIを提供できるようになった。除雪作業の効率化や食品の需要予測など中小企業の導入が進んでいる。

 在宅勤務の増加で利用が進んだクラウドサービスのセキュリティーを高める「OTSUKA GATE」も好調だ。

 本年のスローガンは「お客様に寄り添い、まるごとDXで共に成長する」。

 当社が持つ全ての力でお客に寄り添い、共に成長していきたい。