2023.02.16 スターリンク衛星の落下 磁気嵐などのメカニズムを解明 極地研ほかのチーム
メカニズムの模式図(研究チーム提供)
スペースXの低軌道衛星数十基が昨年2月、大気圏に落下して失われた出来事について、国立極地研究所などは、磁気嵐の発生メカニズムや大気シミュレーションから、その原因を解明した。
太陽のコロナ質量放出が二つ重なって地球に到来し、それが変則的で予測し難い磁気嵐の発生につながった可能性が示された。
これは、同社のスターリンク衛星49機のうち、38機が大気圏へ再突入して失われたもの。同社の発表では、衛星の打ち上げ後に、大気ドラッグ(衛星が周りの大気から受ける空気抵抗)が50%ほど増加したことから、低高度で大気ドラッグを低減する安全モードへ移行したが、結局最大40機が復旧不可能となり、目標の高度まで上昇できず失われたという。
この時発生した磁気嵐の規模は、月に1回程度発生するようなありふれたレベルにもかかわらず、多数の人工衛星が大気へ再突入した点で注目を集めている。
また、衛星が投入された高度200キロメートル付近の大気については観測が少なく、磁気嵐の影響などの理解が十分に進んでいない。そうした課題に今回、挑んだ。
(17日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)