2023.10.07 ARの世界の「アップル」めざす 中国XREALのチー・シュー創業者兼CEOにTGSで聞く

TGSで新製品も披露した

 AR(拡張現実)グラスで世界トップシェアの中国XREALは日本法人を通じて、「東京ゲームショウ(TGS)2023」に出展した。3DのAR技術などで、エンターテインメントだけではなく、さまざまな社会の場面でAR浸透をめざす。創業者兼CEOのチー・シュー氏に狙いや今後の展望を聞いた。

 -今回の出展の狙いを。

 チー氏 製品のローンチにあわせての訴求。ゲーミングはユースケースとして大きい分野なので、焦点を当て、ARグラス業界とゲーミング業界を融合させてアプローチしていきたい。

 先日、米サンフランシスコであった「GDC 2023」にも参加し、手応えがあった。その際、75%の方が弊社を知っていた。残りの25%の層に向けて認知度を高めていきたい。世界的には1億台の市場をめざす。

 そんな中で、日本はカギになる国の一つ。日本の消費者は新しい製品・技術への関心が高く、熱がある。当社製品への信頼もいただいている。

 -ヘルメット型ではなく、軽量のメガネ型を展開していますが、反響などは。

 チー氏 スマートフォンや携帯型デバイスのディスプレイー、モニターなどを見ている顧客層や、大きな画面で動画を見ている層などが主なターゲット。いずれディスプレーは物理的なものから、仮想のものにシフトしていくと考える。

 当社の製品は、軽量、薄型で鮮明な画像という点で訴求できている。TGSはゲームファンだけでなく開発者も多く、関心を持ってもらえた。多くの潜在的パートナーとも話をしたが、VR/AR業界自体がまだ初期の段階にあり、空間ディスプレーなど考え方を共有していきたい。

 -競合も多くありますが、差異化はどう進めますか。

 チー氏 基本的に、競合は歓迎している。米アップルが新しいVRゴーグルを発表したが、こうした製品が出ることで認知度が高まり、市場自体が大きくなる。私たちはこの分野のパイオニア、イノベーターとしてXR市場を引っ張っていきたい。

 振り返って考えると、スマホにしてもイノベーションは必ずしも大手企業発ではなく、スタートアップのような企業から生まれている。当社はスマホのある世代にとってのアップルのように、VR/AR業界で代表的な存在になりたい。

(9日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報予定です)