2024.01.01 【AV総合特集】各社の24年事業戦略 TVS REGZA 笹川知之取締役副社長営業本部長
昨年は、新型コロナが落ち着きを見せ、人の動きが活発になったことでサービス消費へのシフトが進んだ。家電は全般的に苦戦しがちだったが、ブラックフライデーなどの効果もあり、年末に向けてテレビ需要も盛り上がってきた。
リビングの中心にあるテレビは、大型化と高付加価値化が加速している。昨年12月には100V型4K液晶テレビ「100Z970M」を発売した。当社にとってそれまでの最大サイズである85V型とは別次元のテレビといえ、予約販売の段階で想定以上の予約と問い合わせがきた。家電量販店への展示についても想定以上の引き合いがきている。
日本の住宅事情を考えると100V型はどうかと思ったが、予想以上に潜在需要はありそうだと手応えを感じている。エレベーターで搬入できるようにしたり、重さを75キログラムに抑えたりと、少しでも多くの家庭に導入できるよう設計上の工夫もしている。
100Z970Mは、大画面とミニLEDにより、圧倒的な高画質を提供する。それを可能にしているのは、3年強の開発期間をかけた高画質映像処理エンジン「ZRα」の存在だ。映像コンテンツは地デジだけでなく、YouTubeといったネット動画やアニメなど視聴者の趣味・嗜好(しこう)によってさまざまなものが選べるようになった。ZRαで、それぞれのコンテンツに合わせて最高の画質を提供できるようにしている。
最上位のテレビばかりでなく、当社の強みは、リーズナブルな製品を含めて30機種以上のフルラインアップを持つことだ。43V型から75V型までそろえるスタンダードモデルの「M550Mシリーズ」は、価格を抑えつつ、アップルの「AppleAir Play2」に対応する上、10年ほど前に発売した当社の37V型よりも省エネだ。市場からも評価が高く、販売は好調でヒット商品になっている。
テレビ需要は年間460万台強の規模だと見ている。今年もこの規模がベースになるだろう。
こうした市場環境の中、小型なテレビから100V型までラインアップする当社の強みを最大限に生かし、販売につなげていく。昨年4月からは、ラグビー日本代表のオフィシャルサポーター契約を5年間締結した。サッカーにしてもそうだが、スポーツは大画面で見るから迫力がある。10日までは対象となるテレビの購入で、スポーツチャンネル「DAZN(ダゾーン)」の視聴ギフトコードをプレゼントするキャンペーンも展開している。スポーツを軸にした販促は今年も強化していく方針だ。
テレビは地デジを視聴するだけの機器ではなくなってきた。AirPlayへの対応などでテレビの使い方も変わってきている。テレビの新たな側面を積極的に提案していく。
東芝ストアーにとってもテレビは不可欠な製品。配送・設置サービスの提供など、東芝ストアーとは、これからも一緒になって取り組んでいきたいと思っている。