2024.05.30 「概念でもソリューションでもない」 新たな価値創造モデル立ち上げ DX事業強化へ NEC

「ブルーステラ」の概念

記者会見する森田社長=30日、東京都港区のNEC本社記者会見する森田社長=30日、東京都港区のNEC本社

 NECは30日、先端テクノロジーを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)事業の強化に向け、新たな価値創造モデル「BluStellar(ブルーステラ)」を立ち上げたと発表した。約400人の事業推進組織を新設してDX事業を推進。全てのビジネスプロセスにAI(人工知能)を活用し従来型のSI(システム構築)から顧客価値を最大化するビジネスへの変革を図る。

 「今、第三の創業の転換期として、AIをはじめとする先端テクノロジーとともにわれわれの進めるDXを新たなステージへと進化させていきたい」。同日、東京都港区のNEC本社で行われた記者会見で、森田隆之社長兼CEOはこう力を込めた。

 取り組みの柱として「全てのプロセスにAI活用」「AIとセキュリティーを中心に高度なサービスへ変換」「グローバルなオープンエコシステムと社内外の人材育成」の3項目を推進する。

 AI活用は、構想策定からサービスデリバリー、運用・保守まで、全ての業務プロセスで定着させる。コンサルティングサービスでは、データサイエンスの知見を持つAIコンサルタント約100人を配置し、顧客の構想策定など戦略コンサルタントを強化する。AIコンサル人員は2年以内に倍増させる考え。

 グローバルでは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)やマイクロソフト、オラクル、SAPをはじめとする巨大IT企業との戦略的協業を強化するほか、約400社のパートナーとのビジネスを拡大する。

 人材戦略では25年に向け社内のDX人材1万2000人を目標に人材育成を進める一方、社内ノウハウを基にDX人材育成プログラムを他社に提供。約420社、約3万2500人のデジタル人材育成につなげたい考え。

 副社長EVP兼CDO(最高デジタル責任者)の吉崎敏文氏は「ブルーステラは抽象的な概念でもないしソリューションでもない。われわれの実践成果を集大成化したもの。今後さらに進化するためパートナーや顧客の意見を聞いていきたい」と話した。

(31日付電波新聞/電波新聞デジタルで詳報します)