2025.07.25 【半導体/エレクトロニクス商社特集】岡本無線電機 「2030年のあるべき姿」を策定
岡本無線電機は今期、2030年度の目標に向けた「2030年のあるべき姿」を策定し、「エレクトロニクスで未来を拓(ひら)く企画・開発パートナーとして市場に確固たる地位を築く」という目標を掲げた。
企画・開発に重点を置いて事業を進める。お客さま第一主義など、これまで取り組んできた困り事の解決などを基本に取り組む。
同社は、22年度から3カ年の中期経営計画を推進。これまでの経験や知見を生かし、30年の目標につなげる。30年のあるべき姿は今年に入り策定。4月に社内で発表し、方向性を再確認した。
今回、事業セグメントを初めて設定した。電子部品、企画・開発、EMSコーディネート、設備の四つで事業を展開。特に企画・開発は「設計部門でお客さまのお役立ちが果たしやすい」(岡本崇義社長)とし、事業を強化する。方向性を社内外で明確に示した。
海外ビジネスもさらに強化する。海外と日本の垣根をなくすため、日本で取り組んできた成長4分野のAutomotive、Environment、Medical、FAを海外拠点でも強化。海外拠点とミーティングを重ねることで、同じ目線で事業を推進する土台を作ってきた。
今年度は30年のあるべき姿を目指す初年度として、方針を「万里一空」に定めた。「一つの目標に向かって、全社一丸となって取り組むための方針。先は遠いが、歩みを着実に進める」(岡本社長)。今期からデータ分析を取り入れ、販売する商品のトレンドや傾向を数値的に分析できる体制も整える。
4~6月は、顧客の在庫が減りつつある状況で、受注件数は微増で推移した。自動車業界向けを中心に受注が増えている。一方で、米国の関税問題などで投資マインドが減少している傾向もみられるという。
4月には国内メーカーを中心とした通販サイト「E-JUNCTION」をリニューアルし、購入履歴の検索機能、商品の絞り込み検索などを強化した。
岡本社長は「企画・開発の強化で、技術的な特徴を武器にお役立ちしていく。人材育成も強めながらレベルを高めたい」と今後の抱負を語った。