2025.07.31 【家電流通総合特集】「変わる 変える 新時代への進化」 全国電機商業組合連合会 峯田季志会長
新たに基本方針に追加
買い物難民、家電難民作らない
全国電商連では今年度の基本方針として「まちのでんきやはカーボンニュートラルを宣言します」「SDGsへの進化した取り組み」「デジタルトランスフォーメーションの積極推進と〝デジタル推進呼びかけ員〟への登録」に加え、昨年は「次世代に向けて〝つなぐ〟〝そなえる〟〝かかわる〟組合活動の実践」を追加し、さらに今年は新たに「変わる 変える 新時代への進化」を追加した。
昨年追加した、基本方針の「つなぐ」は、業界を担う若い世代にしっかりつないでいく責任があると思っている。「そなえる」については昨今、全国各地で集中豪雨やゲリラ豪雨が発生し、甚大な被害に見舞われている。常に備えるため事業継続計画(BCP)の推進を、青年部中心に行っているが、徹底して行っていくことが重要になる。「かかわる」については、組合員の皆さんが、いろんな事業に関わることで、素晴らしい力になり存在感も高まってくる。
今年新たに追加した「変わる 変える 新時代への進化」では、メーカー、業界の環境が目まぐるしく変わってきている。海外商品がたくさん出てきているし、流通に関しても異業種の皆さんが家電に積極的に力を入れている。また、量販店でもプライベートブランドの商品を安く提供している。
半面、米騒動では古古古米の流通に関して、安い米を購入するために苦労している方が多くみられたが、おいしく食べるために、精米機や炊飯器は高付加価値商品を購入している。このことから消費者心理を学び、いろいろと見極めながら商売をすることを学ばさせていただいた。メーカー、流通だけでなく、自店の経営など、今までの考え方を変え、買い物難民、家電難民を作らないようにすることが大事だ。自店や組合活動の全てにおいて、変える、変わることが重要になってくることから、新たに基本方針に追加させていただいた。
組織増強に最も力
今年は、組織増強に最も力を入れていく。年々組合員は減少しているが、46単組の中で半数以上の単組で新規の組合員を増やしている。これは青年部の活動が活発に行われていることや行政の補助金などもあり、組合の魅力が伝わることで輪が広がっている。そのためには組合加入の魅力を伝えるパンフレットを作成、各単組で非組合員への勧誘をしていただき、多くの皆さんへ加入していただきたいと思っている。
また、全国の単組の中で200人を割っている組合に対しては、単組のさまざまな問題を共有していただき、組合の在り方などをZOOMなどの会議を通じて話し合いながら情報発信するようにしたい。7月には全国の事務局長に集まっていただき、四つのグループに分けて討議を行い、さまざまな意見交換をしている。
デジタル化を推進
今年度は組織を見直し、全国電商連の中にDX関連本部を立ち上げた。DX化が少し遅れていたことの反省から、全国電商連、各県単組、お店など、どのようなことがデジタル化でき、組合活動や自店の経営、販売促進に役立つかを検討、推し進めていく。また、青年部の皆さんにはデジタル推進および会員への登録を呼びかけ、「アクションプラン2030」の達成に向け取り組んでもらっている。BCPにも経産省から認定を頂いている組合、組合店もあり、今後もしっかり取り組んでいく。
スマートライフコンシェルジュゴールドコースフォローアップ2の講習受講者に対しては、修了認定書を配布することになっている。消費者に対し安心・安全を訴えるため、国内全てのメーカーのリコール商品のチラシを作成、9月に実施している高齢者宅安全点検訪問などを通じ、組合店の存在を高めていきたい。
また、家電公取協のシンボルマーク「ただしちゃん」について、認知度を高めるため、組合店のチラシや名刺にマークを入れるなどしながら認知度を高めていくことにしている。流通環境をしっかり守るために取り組んでいく。また、2027年の蛍光管製造中止やエアコンの省エネ性問題にも組合としてしっかり取り組んでいくことにしている。