2025.08.01 アナログ回路設計の実践力向上へ ADI、オープン型セミナー実施
81人が参加した東京会場
米アナログ・デバイセズ(ADI)が、アナログ回路設計の実践力向上を目的としたハンズオン形式の技術セミナー「手を動かして納得!アナログ信号処理実習セミナー」を東京と大阪で開いた。大阪会場には75人、東京会場には81人が参加し、FA、計測、エネルギー、自動車、民生、ヘルスケア、通信など幅広い業界のエンジニアが集結した。
小型化や回路レイアウトの最適化、採用部品のEOL(生産中止)対応など、アナログ設計者を取り巻く課題は多い。特にデバイス変更時にはマッチングの崩れからノイズや安定性が悪化するケースも少なくない。ADIはこうした現場課題の解決力を養う場としてセミナーを企画した。
プログラムは①オペアンプのノイズ特性の理解と実機検証方法②電圧帰還形オペアンプの安定性評価方法③学びながら回路設計を素早く実現――の3部構成。参加者はパソコン(PC)を持参し、学習用に最適なUSBデジタル・オシロスコープ「ADALM2000」とプリント基板を用いてノイズを測定。データシートから算出した理論値と実測値を比較し、予測結果の信ぴょう性を検証した。
後半には設計相談コーナーを設置。各社固有のアプリケーションで生じる課題やシミュレーションツールの使いこなしなど、講師陣に対する専門的な相談が相次いだ。クローズド形式で実施してきた実践セミナーをオープン化するのは初の試みで、ADIは継続的に開催し、国内アナログエンジニアの裾野を広げたい考えだ。
<執筆・構成=半導体ナビ>