2025.10.03 デクセリアルズ、CIOE2025に初出展 光半導体をアピールし次世代AIを支援
デクセリアルズは「CIOE2025」で光半導体をアピールした
デクセリアルズは、9月10~12日まで中国・深圳で開催された光半導体などオプトエレクトロニクスに関わる専門展「CIOE(China International Optoelectronic Exposition)2025」に出展した。初出展となる今回は、光半導体や光学デバイス、異方性導電膜(ACF)、接着剤など、幅広く出品。次世代AI(人工知能)を支える「光電融合」のカギを握る光半導体関連を中心に多様な技術を紹介した。
同展示会は30以上の国・地域から3800社以上が出展し、世界中から多くの来場者が訪れる。情報通信、精密光学、レーザーおよびインテリジェント製造、赤外線、インテリジェントセンシング、ディスプレイ技術、AR&VR、フォトニックイノベーションなどのセクターをカバーする8イベントが同時開催された。
同社は現在、注力領域の一つに「フォトニクス」を掲げている。これまでコンシューマエレクトロニクスや車載ディスプレーなどで培ってきた光学技術を光通信・センシング分野にも応用。2024年4月には、フォトニクス関連の子会社「デクセリアルズフォトニクスソリューションズ」を立ち上げ、光半導体や光学デバイスの新規開発に取り組んでいる。
CIOEへの出展は、光通信業界に向けた情報発信と新規顧客の開拓が主な目的。光通信やAI関連市場として有望な中国での情報発信を通じて、事業拡大を加速させる。
今回は次世代ネットワークを支える先進技術として開発品を複数展示した。生成AIの普及拡大に伴い急増するデータセンター向けを中心に出品。1.3µm/1.5µm帯導波路型高速Photo Detector(光導波路型フォトダイオード)は、データセンター用途で求められる「高速性」「高感度」「小型化」を兼ね備えたキーデバイスとして、注目を集めた。
同製品は100Gbaudおよび200Gbaudの高速動作に対応した光導波路フォトダイオードで、高リニアリティと低容量を両立した受光素子。800G/1.6T/3.2Tbpsクラスの次世代高速データ伝送システムにおける既存受光素子の置き換えに適しており、将来的な260Gbaudコヒーレント光通信システムへの展開も視野に入れた開発が進行している。
同製品は今年12月末にエンジニアリングサンプルの提供を開始予定。2027年中の量産を目指している。今年4月に米国で開催された光通信分野における世界最大級の展示会「OFC2025」でも展示し、来場者の話題となった。
そのほか、表面入射型フォトダイオードやコヒーレント向けシリコンフォトニクス対応PIC(Photonic Integrated Circuit)などを展示した。光通信モジュール向け材料ソリューションとして、ACFやUV硬化型・熱硬化型の接着剤なども紹介。光関連モジュールの小型化・製造効率化を実現する材料をアピールした。
CIOEへの出展を通じて、現地顧客のニーズや最新の技術動向の取り込みも行った。同社は直接顧客・最終顧客双方との対話による「先回り開発」を得意としており、今回の展示会で集めた声をもとに、製品開発を加速させる。