2025.10.24 デジタルテスト推進協会設立 日本のCBT化を包括支援 

試験や講習のデジタル化を推進するDiTAが設立された 

 試験や講習業務のデジタル化を推進し、受験者・受講生への利便性の高い環境の提供や試験実施団体の業務効率化の支援を目的とした「デジタルテスト推進協会(DiTA)」が本格始動した。24日に東京都内で記者会見を開き、設立背景や事業概要などを説明。協会には試験・教育業界をけん引する企業・団体や講習・試験のデジタル化を支える国内ベンダーが参画し、最新技術を活用した試験の安全で公平なデジタル移行を包括的に推進していく。 

 2026年に司法試験のCBT(Computer Based Testing)化が発表されるなど、試験や講習のデジタル化に注目が集まっている。国内では依然として多くの試験・研修が従来型のアナログ式で実施されており、CBTの普及は限定的だ。試験のデジタル化に注目が集まる中、教育・試験業界の有識者や主要企業が結集し、「テストのデジタル化を支援する」という理念のもとDiTAを設立した。 

 同協会には、イー・コミュニケーションズや学研ホールディングス、内田洋行など試験・教育業界のリーディングカンパニーから試験のデジタル化を支える国内ベンダーまで幅広い企業・団体が参画。紙試験を運営する企業も参加し、アナログからデジタルへの移行を支える多角的な知見を結集する。 

 デジタルテストに関する調査研究や年1回の「デジタルテスト白書」の刊行、デジタル認定証の仕組みの確立とガイドライン策定など、国内のCBT化を加速させる業務に取り組んでいく。革新的な取り組み事例を表彰する「デジタルテストアワード」も実施し、業界全体でのCBT化に取り組んでいく。 

 理事長に就任した佐藤信也氏(イー・コミュニケーションズ代表取締役 )は協会設立について「アナログからデジタルへの単なるシステムの置き換えではなく、試験の安全性や信頼性を新たな次元へ引き上げるための社会インフラづくりだ」と力を込めた。