2025.11.06 山一電機、26年3月期通期予想を上方修正 データセンター向けコネクターが好調

 山一電機は5日、2026年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、売上高を前期比5.3%増の477億円、営業利益を同13.1%増の93億円に引き上げた。ともに過去最高を更新する。基幹系通信機器やデータセンター向けのコネクターの好調な推移を織り込んだ。

 同日発表した第2四半期(25年4―9月)連結決算は、売上高が前年同期比3.0%減の267億3900万円、営業利益が同6.1%減の64億1800万円、経常利益が同5.4%増の64億9300万円、当期純利益が同13.7%増の46億5100万円。為替の円高が響き減収営業減益となったが、経常利益と純利益は増益を確保した。

 上期の事業別業績は、TS(テストソリューション)事業は減収営業減益となったが、CS(コネクタソリューション)事業とOPT(光関連)事業は増収営業増益となった。亀谷淳一社長は「CS事業とOPT事業は成長性と収益性が改善した」と説明した。

 上期の事業別売上高は、TS事業は、テスト用ソケットはスマートフォン向けが好調で上期として過去最高の売上高となった。一方、バーンインソケットがメモリー半導体と、自動車向けを中心としたロジック半導体の向けで低調に推移し、全体では前年同期比17.4%減となった。

 CS事業は、通信機器向けが基幹系通信機器向けやAI(人工知能)を含むデータセンター向けで好調に推移し、車載機器向けは低調だったものの、全体では同19.3%増と大幅に増加し、上期としての過去最高を更新した。OPT事業も、通信市場向け製品が順調に推移したことで同43.0%増となった。

 同社は、CS事業の好調な推移を織り込み、通期の売上高および各利益予想を上方修正した。亀谷社長は「CS事業は、下期も引き続きAIを含むデータセンター投資の活況であることから、高い需要を見込んでいる」と語った。