2025.11.06 韓国サムスン電機 住友化学と合弁設立へ 27年に次世代半導体パッケージ量産へ

合弁設立で握手する岩田圭一会長(左)とチャン・ドクヒョン社長

 韓国のサムスン電機は5日、住友化学グループと次世代半導体パッケージ基板となる「グラスコア」を生産する合弁会社設立で合意したと発表した。同日、東京で行われたMOU(覚書)の調印式にはサムスン電機のチャン・ドクヒョン社長、住友化学の岩田圭一会長らが出席した。

 サムスン電機によると、住友化学と同社韓国子会社の東友ファインケム含めた3社は今回の提携を通じ、各社が保有する技術力と世界のネットワークを融合し、パッケージ基板用のグラスコアの製造と供給ラインを確保、世界市場への参入を急ぐ。

 従来のガラス基板に比べグラスコアは熱膨張率が低く、平坦度に優れている。このため、高集積・大面積の先端パッケージ基板実現には不可欠でAI(人工知能)やHPC(高性能コンピューティング)に最適と、サムスン電機は説明している。

 資本構成や人事など合弁会社の詳細は未定だが、サムスン電機が過半数株を取得。住友化学グループは、少数株主として合弁会社に参画することは確か。本契約締結は来年の予定。合弁会社の社名や事業日程は未定で、今後協議していく。本社は東友ファインケムのピョンテク事業所に置く予定で、グラスコアの初期生産の拠点にする。

 サムスン電機は、現在セジョン工場のパイロットラインでガラス基板のプロトタイプを生産中だが、2027年以降、新合弁会社が量産する予定。