2025.11.08 リコー、営業利益4倍 25年4~9月期、事業選択と集中が寄与
リコーの2026年3月期第2四半期(4~9月)の連結業績は、売上高が微増となる一方で、営業利益が大幅に増加した。売上高は1兆2224億円で前年同期比1・7%増、営業利益は同286億円増の420%増となった。通期見通しは据え置き、売上高2兆5600億円(同1・3%増)、営業利益800億円(同25・3%増)を計画する。
主力のデジタルサービス事業は、売上高が前年同期比1・8%増。国内ではセキュリティー、働き方関連、自治体向けソリューション、PCリプレース需要などが堅調に推移した。海外は、欧州の景況感の弱含みや米国の関税政策などによるIT需要の減退が影響した。オフィスプリンティング事業は国内でハード販売や売価管理強化により増収となったが、海外は減収。営業利益は前年同期比87億円増の117億円となった。
デジタルプロダクツ事業は、買収効果や経費コントロールなどにより増益。グラフィックコミュニケーションズ事業では、商用印刷が米国で関税政策の影響を受け、需要が低迷した。
また、「事業の選択と集中」を柱とする企業価値向上プロジェクトを推進し、2事業の売却と1事業の終息により想定どおり182億円の効果を創出した。関税の影響は44億円に上った。
同社は「今後も動向を注視し、事業環境の変化に応じて機動的に対策を講じる」として、為替レート見通し(米ドル140円、ユーロ155円)を期初想定のまま維持した。



