2025.11.12 三菱電機、三相モーター事業を荏原製作所に譲渡 シナジー創出の契機に
荏原製作所と三菱電機は12日、同社のFA(ファクトリーオートメーション)制御機器などの開発・生産を行う名古屋製作所新城工場(愛知県新城市)で製造する「三相モーター」などの事業を、荏原に譲渡することで合意したと発表した。荏原が新設する全額出資の子会社が譲渡先で、関係当局への審査・承認を経て、2026年中に譲渡を完了する予定。
三菱電機はそのほか、新城工場で製造するIPM(内部永久磁石)モーター事業や、タイの同社子会社「Mitsubishi Electric Automation (Thailand)」 が事業展開する産業用モーターやポンプなどの事業を、荏原に譲渡する。
また三菱電機が、新城工場で現在生産しているCNC(数値制御装置)用主軸モーターとサーボモーター事業については譲渡対象外となり、荏原に譲渡した同工場の一部を活用し事業を継続する。
モーターは、ポンプや送風機などの産業機械を安定的に動かす動力源。世界的に脱炭素化の機運が高まる中、産業機械への省エネニーズが一段と高まっている。こうした中で荏原は、事業譲渡を機にモーターと産業機器の統合を進め、省エネ化や予知保全などの高付加価値ソリューションの展開を推進していく。
三菱電機の三相モータ事業は、1924年の生産開始以来、約100年にわたり技術と実績を積み重ねてきた。荏原は、こうした事業の資産や技術を守りつつ、生産性の向上に向けて必要な投資を行い、シナジー(相乗効果)の創出に努めていく。
荏原執行役建築・産業カンパニープレジデントの永田修氏は「この統合から創出されるシナジーを最大限に事業成長へ結びつけ、グローバル市場におけるプレゼンスの一層の拡大を目指していく」とコメントしている。






