2025.11.25 オプテックス子会社、フィンランドのLED照明メーカーの株式取得 欧州事業拡大に弾み

買収したアテクソールのロゴ

アテクソールが強みとする防爆型ポータブルLED照明製品
アテクソールが強みとする防爆型ポータブルLED照明製品

 センサーメーカー、オプテックス(滋賀県大津市)の連結対象子会社で英国に本社を構えるRaytec (レイテック)は25日、21日付でフィンランドのATEXOR(アテクソール)の発行済み株式を100%取得し、完全子会社化したと発表した。危険エリア向け照明製品のラインアップを強化し、欧州地域での事業拡大に弾みをつける。買収額は非公開。

 アテクソールは、フィンランドを拠点に防爆型やプロフェッショナル用照明ソリューションを提供する専門メーカーで、石油・ガスや化学、製薬などの危険区域を支える安全照明を支援。「SLAM」や「MICA」シリーズをはじめ、国際認証に対応した高品質なポータブルや固定型LED照明製品を開発・製造する。40年以上培ったノウハウと柔軟な設計力を生かし、過酷な環境下での信頼性と安全性を実現している。

 レイテックは、2012年にオプテックスが傘下に加えたLED照明専門メーカーで、CCTV監視用赤外照明や危険区域向け防爆型照明などの製品を開発・製造。危険環境向けでは、据え置きや固定設置の照明で強みを持つ。

 レイテックとアテクソールは、ともに危険環境向け防爆型照明事業を展開するものの、重複製品が少なく、共通の販路を生かせる関係にある。さらに両社が主力とする市場も重ならないことから、大きな相乗効果が見込めると判断し、株式取得を決めた。

 危険エリア用照明製品の選択肢がさらに充実し、多様な現場ニーズに対応できるようになる。市場へのアクセスを強化し、クロスセルの機会を創出するとともに、欧州規制への対応力を強化し、同地域で存在感を高めることを狙う。

 また、グローバル市場に向けた危険エリア用防爆型 LED 照明の分野で培った技術力をさらに進化させ、より高効率なLED技術とスマート制御機能を融合。これにより今後は、石油・ガスや化学、再生可能エネルギー施設など、主要な危険エリア市場への次世代安全照明ソリューションの提案を強めていく。

 オプテックスは創業以来、独自のセンシング技術を基盤に侵入検知や車両検知、アクセスコントロール、自動ドア、画像鮮明化、水質測定など、幅広い分野でセンサーを活用したソリューションを提供している。

 同社にとってM&A(合併・買収)は、事業領域・技術・販路の強化・拡大と持続的な成長を実現する上で欠かすことができない重要な経営戦略の一つ。M&A を通じてニッチ市場で強みを有する企業(事業)に積極的に投資することでシナジー(相乗効果)を創出し、高い成長を目指している。2001~23年には、8件のM&A実績を積み上げた。