2025.12.06 KDDI、ローソン、池田市が包括連携協定 26年夏にリモート接客など行う新店舗
協定式に出席した松田社長CEO(左)、瀧澤市長(中央)、竹増社長(右)
KDDIとローソン、大阪府池田市は5日、池田市の地域活性化と安心して暮らせるまちづくりを目指し、「包括連携協定」を締結した。KDDIの通信技術を活用した市民サービスの向上やローソン店舗の地域・防災拠点としての活用などを進めていく。誰もが幸せに暮らせるまちづくり構想「ハッピー・ローソンタウン」を推進し、2026年夏には、池田市伏尾台にAI(人工知能)を活用したリモート接客プラットフォームなどを提供するローソンの新店舗を開業する。
今回の協定は、同市が5月に行った伏尾台地域の土地活用事業者にローソンが選定されたことがきっかけ。ローソンと資本提携をしているKDDIも事業に賛同し、11月にローソンの竹増貞信社長が池田市役所に来庁した際、KDDIとともに地域課題の解決に貢献したいという意向を示したことで、包括連携協定の締結に至った。
同市の成長と発展、市民サービスの向上を目的に、街並み形成や防災・防犯、地域活性化などの面で協働していく。災害時に活用可能な衛星通信「Starlink」などの通信設備を配備した「防災コンビニ機能」の提供のほか、KDDIの通信技術やデータ分析力を生かした地域課題の可視化と施策立案支援などに取り組む予定だ。
瀧澤智子市長は「持続可能なまちづくりをしていくには多様な主体との連携が必要」とし、「3者の力を合わせて、地域住民と連携しながらまちづくりに取り組んでいく」と強調した。
伏尾台地域では、ローソン店舗を拠点としたハッピー・ローソンタウン構想の実現に向け、26年夏に新店舗をオープンする。同地域は池田市北部の高台に位置し、阪急不動産が1970年代に宅地開発を進めていた。人口増減率が低く、高齢化率が全国平均より高いことが課題となっている。ローソンの店舗を拠点にKDDIのテクノロジーを活用したまちづくりにより、買い物ができる場所の維持や住民の交流の場を創出し、子供から高齢者までがゆるくつながりながら便利に暮らせるまちを目指す。
竹増社長は「60~70年代にかけて開発が進んだオールドニュータウンと言われる街をネオニュータウン化し、若者が帰ってきて、子供たちの遊ぶ声が響き渡るような活気ある場所に生き返らせることができれば」と展望を語った。
新店舗には、KDDIの通信とAIを活用した次世代リモートプラットフォームを活用した「Ponta よろず相談所」を設置する。同相談所では、地域住民が行政相談や金融サービス、医療などに関わる困り事を地域住民が相談できる。店内で提供予定のオンライン診療や服薬指導などは、東京都港区の高輪ゲートウェイシティにあるKDDI本社での実証成果を生かしていく。
また、地域住民がイベントなどで使用できるカフェスペースや屋外広場を設置するほか、災害時には、太陽光パネルや蓄電池、Starlinkなどを活用した支援拠点と位置付ける。池田市全域の人流データを活用したまちづくりや、災害時にリアルタイムで状況を把握するためのドローンポートの設置なども進めていく。
KDDIの松田浩路社長CEOは「伏尾台のようなケースは全国にも多いパターン。ここで型作りをすることは、シャイインフラを担う企業の責務として他地域にも組み込んでいくことを考えている」と話した。
ハッピー・ローソンタウンは、47都道府県での展開を目指しており、30年までに100カ所を設置する予定だ。










