2025.12.10 アルプスアルパイン、IC外販第3弾として多電極アプリケーション用静電容量ICを発表 ラインアップ拡充で市場拡大目指す
HSLCMB003A
アルプスアルパインは、IC外販ビジネスの第3弾として、多電極アプリケーション用静電容量IC「HSLCMB003A」を開発し、国内外でのプロモーションを開始した。
同社は従来は自社製品の内製用に設計・開発してきたICを、アルプスアルパインブランドで外販するビジネスを開始しており、2023年12月に第1弾として高感度・高ノイズ耐性の静電容量検出ICを、24年10月には第2弾として電流リップル検出ICの外販を発表した。
第3弾では、第1弾で発表した静電容量検出ICのバラエティー展開として、電極数が64ポートに増えた多電極アプリケーション用のICを発表する。同ICは既に自社モジュール製品に使用されており、18~24年度累計で約440万個の使用実績がある。
同社の半導体事業は、20年近くにわたり車載・民生市場向けに磁気・地磁気・湿度・気圧・ミリ波、静電センサーなど、多彩なセンサー用ICを設計開発してきた。同社のICには、低ノイズAFE(アナログ・フロント・エンド)を中心とした、ミックスド・シグナルIPによる高度な信号処理アルゴリズム、省スペース設計、機能安全対応など、豊富なノウハウが詰め込まれている。
従来はIC単体は自社製品向けに設計・開発し、センサー素子、外付け部品、基板などとICを一体にしたモジュールの形で提供していた。その実績も踏まえ、顧客の声をいち早く把握、市場ニーズを捉えた開発を行い、IC単体の外販を開始している。
今回外販開始する「HSLCMB003A」は、23年に外販を開始した「HSLCMB001A/002A」と比較し、センサー電極数が16ポートから64ポートに増えたことで、多電極を要する用途、特にタッチパネルやタッチパッドに適している。主な仕様は、電源電圧4.75~5.5V。待機電流530μA typ。パッケージはQFP100ピン(14mm/t=1.6mm)。インターフェースはSPI。AECーQ100グレード2(-40~+105℃)。
同社のIC設計は、製品企画からシステム・アナログ・デジタル設計、テスト、量産立ち上げ、量産サポート、迅速な品質対応まで一貫した開発体制を確立。長年培ってきたセンサーデバイスの経験を生かし、多用途向けのIC設計に対応し、ユーザー要求に基づく柔軟な仕様提案、開発期間短縮、信頼性規格対応により、高品質かつスピーディーな製品供給を行う。
今後さらにラインアップを拡充し、既存半導体製品(標準品)の拡販に加え、設計受託にも注力していく。








