2025.11.04 気体状次亜塩素酸が百日ぜき菌を99%以上抑制 クワトロ感染症抑制にも期待 パナソニックが検証
パナソニック 空質空調社は、業界で初めて次亜塩素酸水溶液から揮発した有効塩素成分である気体状次亜塩素酸が、約25m³(約6畳)の空間で、付着した百日ぜき菌に対し、4時間で99%以上の抑制効果が得られることを確認した。
百日ぜき菌を原因とする百日ぜきは、けいれん性のせき発作を特徴とする感染力が強い急性気道感染症。特に乳児が感染した場合に重症化することがあり注意が必要だ。 10代の感染者の割合が多くなっている傾向が顕著で、乳幼児の接触が多い家庭や保育施設にとどまらず、10代が多く活動する学校などの人が密集する空間での感染拡大が懸念される状況だ。
2025年は、百日ぜき、新型コロナウイルス感染症、リンゴ病(伝染性紅斑)、はしか(麻疹)が同時に流行し、「クワトロ感染症」という言葉が生み出された。
次亜塩素酸水溶液は、食塩水を電気分解することで生成され、除菌、脱臭に高い効果がある。同社は 1987年にカップ式自動販売機の衛生保持システムとして次亜塩素酸水溶液を採用して以来、約40 年にわたって次亜塩素酸技術を研究。同社の検証は、揮発した「気体状次亜塩素酸」が自己分解しにくく遠くまで拡散する特長を持つことから、基礎的な研究であっても、空気清浄機などの性能評価に用いられる「日本電機工業会規格(JEM1467)」に準じた約25m³(約6畳)の閉鎖空間で実施した(検証機関は北里環境科学センター)。
検証装置は、回転式フィルターに約100mg/Lの次亜塩素酸水溶液を染み込ませ、一定の風(3.8 m³/分)を当てて気体状次亜塩素酸を揮発させた。
シャーレには百日ぜき菌が入った液を所定量(2μL×5カ所計10μL)滴下し、安全キャビネット内で約60分間乾燥させたものを百日ぜき菌を付着させた試料として、検証装置から1.5m離れたところに設置(床上から高さ1.2m)。
気体状次亜塩素酸を暴露した場合と自然減衰(非暴露)と比較し、効果を測定した。
同社ではこれまで、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)オミクロン株、イヌパルボウイルス、麻疹ウイルスなどの抑制効果を確認してきた。
今回、百日ぜき菌への効果を確認できたことで、クワトロ感染症の原因となる全4種の菌・ウイルスが付着した状態に対して、気体状次亜塩素酸の抑制効果を期待できるとしている。





				
							
				
							
				
							
				
				
				
				
				
				

 
 
 
 
 
 
 
