クラボウは「細かな対応力と確かな技術力が生み出す解決力」をテーマに計測装置、高機能フィルム、高機能樹脂製品、金属イオン除去フィルターを提案する。さらに、高機能樹脂製品の生産能力増強もアピール。繊維で培ったコミュニケーションと独自のコア技術で、お客さまが抱える多様な課題に最適解を提案する。

　計測装置は、薬液成分濃度計「ChemicAlyzer（ケミカライザー）」を出展。半導体製造のエッチングや洗浄プロセスで使用する薬液濃度を、光の吸収原理を応用し連続測定するインライン計測器。高性能モデル「Ace-3」は対象薬液に合わせた波長を用いて測定するため、高精度での測定が可能。特殊薬液にも柔軟に対応するロングセラーのスタンダードモデル「Pro-2」、他社製品からの置き換えが容易にできる「Pro-2＋」も紹介する。

　参考出展の「In-Situ（インサイチュ）」反射光モニタは、枚葉洗浄装置で処理される回転ウエハー上の表面状態を非接触でモニタリングし、薬液の切り替わり状態やウエハーの表面状態をリアルタイムに計測。ウエハー処理中の変化点監視と薬液使用量の削減につながる。高機能フィルムは、半導体工程用テープ向けオレフィンフィルム、耐熱保護テープ用フィルム「EX­PEEK（エクスピーク）」、耐熱ポリスチレンフィルム「Oidys（オイディス）」を披露。

　高機能樹脂製品は素材成形から、成形・切削などの1次加工、接合・表面処理などの2次加工、さらには洗浄まで一貫対応できることを紹介。2025年7月にクリーン化、自動化・省人化、先端技術をテーマに稼働を開始した熊本イノベーションセンター（熊本県菊池市）と、同月からPTFE素材成形を新たに手がける寝屋川工場（大阪府寝屋川市）も紹介。高機能樹脂製品の生産能力を一層強化する体制を整えた。

　金属イオン除去用フィルター「KURANGRAFT（クラングラフト）」は、半導体製造で使われる薬剤、薬液中の微量金属イオンを除去できる。