2025.11.12 クラボウ、4~9月期減収減益 通期純利益は上方修正 

 クラボウは、2026年3月期通期の連結業績予想の純利益を上方修正した。当初予想の95億円を105億円に引き上げた。投資有価証券売却益の増加を織り込んだ。売上高1440億円、営業利益80億円、経常利益95億円は、予想を据え置いた。 

 26年3月期第2四半期(25年4~9月期)の連結決算は、売上高が前年同期比3.6%減の692億4500万円、営業利益が同7.3%減の39億2900万円、経常利益が同5.0%減の48億4300万円、純利益が同87.5%増の64億2100万円だった。売上高は化成品事業や繊維事業が減収になったものの、環境メカトロニクス事業、食品・サービス事業などが増収増益となった。 

 同社は4月に中期経営計画をスタートさせている。西垣伸二社長は中計の進捗について「課題もあるが全体としては概ね計画通りに推移している。注力事業の半導体製造装置関連市場向けも多少の遅れはあるが概ね順調だ」と話す。 

 化成品事業は、高機能樹脂製品がAI(人工知能)用途以外の半導体市況の低迷により、半導体製造装置向けの受注が減少。機能フィルムは太陽電池向けの受注が堅調だったが、北米の自動車向けの受注が減少。環境メカトロニクス事業は、ライフサイエンス・テクノロジーがFA設備の受注が増加。エレクトロニクスは半導体業界向け液体成分濃度計が堅調。エンジニアリングは排ガス処理設備などが堅調に推移したほか、ウエハー洗浄装置やフィルター洗浄装置も好調だった。