2025.12.23 ローム、タタ・エレクトロニクスと戦略的パートナーシップ締結 インドで製造体制構築へ 

 ロームとインドのタタ・エレクトロニクスは22日、インド、世界市場向けの半導体製造に関する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。インドでの製造体制構築と幅広い事業連携により、イノベーション創出を目指す。両社の専門知識とエコシステムを活用して双方のビジネス機会を拡大するのが狙い。 

 タタ・エレクトロニクスの先進的な後工程技術とロームの持つ先進的なデバイス技術の融合により、インドでのパワー半導体の製造体制を構築。両社の販売チャネルやネットワークを融合し、インド市場において事業機会を共同創出することで、より多くの顧客に付加価値の高いソリューションを提供する。 

第1弾として、ロームがインドで開発・設計した「車載向け100V耐圧, 300A Nch Si MOSFETのTOLLパッケージ品」をタタ・エレクトロニクスが製造(組立・検査)。来年中に量産出荷する予定。将来的には高付加価値パッケージなどの共同開発を検討する。生産した製品のマーケティング活動も共同で推進する。 

パートナーシップ締結によって、インドの顧客や市場に新たな価値を届け、設計・開発と製造をインド国内で完結するエコシステムを構築。国内製造による付加価値を高め、インド市場に最適化された製品の安定供給の実現につなげる。 

 ローム取締役の伊野和英常務執行役員は「連携を通じて、インドで製造するパッケージ製品のラインアップを拡充するとともに、地域に根差した持続可能なサプライチェーンの構築を目指す。これにより国内生産の半導体を求めるインド顧客の需要に応えることができる。また、連携によって生産した製品を世界市場に供給することも視野に入れる」とコメントした。 

タタ・エレクトロニクスのRandhir Thakur MD Dr.は「当社は半導体組立・検査工場を通じて、先進的なパッケージングサービスを提供し、ロームのインドおよび世界市場向け製品の開発をサポートする。この協業は、グローバルな半導体サプライチェーンに信頼性と強靭性をもたらすとともに、両社のビジネス機会を拡大する」としている。