2026.01.12 【電子部品総合特集】アルプスアルパイン・泉英男社長 モバイルフォトプリンター好調 国内強靭化投資を推進

 2025年度上期(25年4~9月)は増収増益となり、コンポーネント事業とモビリティー事業の売上高は上期で過去最高だった。営業利益は当初は米相互関税の影響を想定していたが、価格転嫁や不採算事業縮小で変動費や固定費を圧縮でき、利益が改善した。25年期初段階ではもう少し円高を予想し、関税による景気下ブレも懸念していたが、結果的には良い年だった。

 最近好調な製品の一つは、モバイルフォトプリンター。顧客の数量要求をまだ充足できていないが、来期に向けて解消していきたい。データセンター(DC)用光通信レンズが需要が高止まりしフル増産しており、来期も継続すると思う。

 今後の期待製品は、新型ミリ波センサーが、かなりの車種で搭載が始まってきている。車載以外でも農機の障害物検知やエアコンでの人の検知、機械の安全のための3D検知などで採用されている。プライバシー面からカメラが使えない用途などをカバーできる製品として提案していく。

 今後の事業見通しは、コンポーネント事業は26年度もアミューズメントやモバイル関連での顧客需要が見込めるため上積みが期待できる。中国自動車市場向けも部品ビジネスの方は好調なため、生産能力を増強し、足元を固めていきたい。

 センサー・コミュニケーション事業は、DC用光通信レンズやモバイルフォトプリンター、ミリ波センサーなどの新製品の売り上げを伸ばし26年度は黒字化を目指す。

 25年度から「中期経営計画2027」(3カ年)をスタートした。同中計では経営指標として、26年度にPBR1倍、27年度にROE10%を掲げる。3カ年累計で戦略投資1000億円を計画しており、このうち400億円を国内強靭化きょうじんかに投じ、国内工場の生産設備の競争力強化や省人化、拠点再整備などに充当し、低下が続いていた国内生産比率を再度上昇に転じさせたい。これは地政学リスクへのヘッジにもつながる。

 最も重要なのは、センサー・コミュニケーション事業とモビリティー事業での従来製品から新しい製品へのシフトで、26年度はその重要な節目となる。これらの新製品立ち上げに向け、品質を担保しながらいかにロスを減らすかにしっかり取り組む。