2026.06.11 全館空調住宅、ダニアレルゲン量低減 パナソニック ホームズなど共同調査
調査結果 ※注1 有意確率(p値):差や効果が「偶然」によるものだと仮定した場合に、今回の結果が得られる確率を示す指標 ***: p < 0.001、**: p < 0.01、*: p < 0.05、†: p 0.10 一般に p < 0.05 の場合、統計的に有意と判断される。 ※注2 感作閾値(かんさいきち):生体が特定の抗原(例:アレルゲン)に対して感作されるかどうかの境目となる最小量
パナソニック ホームズは、東京アレルギー・呼吸器疾患研究所と共同で、実際に人が居住する戸建住宅を対象に、空調方式の違いが室内のダニアレルゲン量に及ぼす影響を調査した。
この結果、全館空調を採り入れた住宅では、ダニアレルゲン量が明らかに少なく、アレルギー症状(倦怠感や〈けんたい〉感や疲労感)を感じた人の割合も低下し、QOL(生活の質)向上につながることがわかった。
共同調査は、近年、夏季に高温多湿な気候が続いていることから、ダニが繁殖しやすくなっている住環境に着目し、ダニアレルゲンの「量」に加え、居住者の倦怠感や疲労感といった「QOL」についても分析。室内の湿度管理が健康リスクに直結することを示した。
同研究では、実際に人が居住する関東から九州の戸建住宅36棟(断熱性能等級5~6)を対象に、空調方式(住宅全体をまとめて換気・空調する「全館空調」19棟と、各居室に設置された壁掛けルームエアコンを用いて在室時のみ運転する「個別空調」17棟の2方式)ごとに、床・寝具中のダニアレルゲン量、室内の温湿度、空気質を実測した。 あわせて、居住者を対象に、アレルギー症状が倦怠感や疲労感などのQOLに及ぼす影響についてアンケートを実施し、各QOL項目への影響を分析した。
その結果、全館空調の住宅では、個別空調の住宅と比較して、室内の平均湿度がダニの繁殖しにくい水準に保たれ、床・寝具中のダニアレルゲン量が明らかに減少。また居住者のアンケートでは、アレルギー症状による倦怠感や疲労感を感じた人の割合が低下した。
これらの結果から、夏季における住宅内の湿度環境は空調方式の違いによって左右され、ダニアレルゲン量や居住者のQOLに影響を及ぼす可能性が示された。
高温多湿化が進む中、住環境における空気・湿度管理のあり方は、健康的な住まいづくりにおける重要な要素になるとみられる。
東京アレルギー・呼吸器疾患研究所の環境アレルゲン研究班 白井秀治班長は、今回の調査について「全館空調の住宅は個別空調の住宅に比べ夏季の相対湿度が低く、平均値はダニの増殖に適さない低い値で推移していた。全館空調の住宅における床面と居住者が使用している寝具のダニアレルゲン量は、個別空調の住宅と比べ低い値で推移していた」とコメント。
「全館空調の住宅では湿度が低く保たれ、ダニアレルゲン量も少ない状態で推移することが確認されたことから、居住者がセルフケアとして取り組むダニ対策の負担を大きく軽減できる可能性があると考えられる」(白井氏)とする。
日本では、国民の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患を持つと推定されている。中でもぜんそく患者では、小児の80%以上、成人でも50%以上がダニ抗原に感作されているという報告もある。
ダニアレルギーは、ぜんそくやアレルギー性鼻炎、皮膚炎の悪化、睡眠の質低下などを引き起こし、健康に深く関わる重要な社会課題となっている。








